どんな職業か
警察犬、盲導犬、災害救助犬、空港などにいる麻薬捜査犬や、ガス漏れを嗅ぎつけたり、ガードマンの代わりをする犬など、犬はさまざまな分野で活躍している。犬の特性や嗅覚などの能力を活用するために専門的な訓練を行うほか、普通の家庭用の犬のしつけも行う。 「訓練」には、訓練所が犬を預かる場合と飼主のもとへ出張訓練に出かける場合があるが、本格的なしつけや教育をするには、訓練所で預かって基本から応用までの訓練を行うのが一般的である。まず、犬と親和を図りながら「座れ」や「伏せ」といった服従を主とする基本訓練を行う。 普通の家庭用の犬はこの単純なしつけで十分であるが、専門的な仕事を担うためにはさらなる訓練が必要となる。 警察犬の場合は「臭気選別」と「足跡追及」などの特殊能力を習得するための応用訓練を行う。警察犬はシェパードなどが多く、臭いから犯人を追跡する訓練や、犯罪現場に犯人が残した物品の臭いと容疑者の臭いとを選別する訓練の他、施設の警護などの訓練を行う。 盲導犬はラブラドルレトリーバーなどが多く、生後12ヶ月から訓練を始め、障害物をよけること、交差点で止まること、階段の昇降など、視覚障害者を誘導する方法を教える。最後に盲導犬としての適性を判断し、視覚障害者との共同訓練を行う。 災害救助犬、麻薬捜査犬等についても、それぞれ仕事の内容に応じて専門的な訓練が行われる。また、身体障害者の生活を助ける「介助犬」や「聴導犬」も普及してきており、犬訓練士の仕事は広がっている。 訓練期間中は、給餌、排便の処理をはじめとする日常の健康管理も行う。飼い主に、犬の状態や訓練の内容、進み具合などを説明し、犬の飼い方などを指導することもある。 犬の訓練技術が最も明確に評価されるのが、警察が実施している嘱託警察犬の審査である。嘱託警察犬制度とは、各道府県警察が民間で飼育している警察犬を指定して、犯罪捜査などに協力を求める制度である。各道府県では、毎年1~2回、嘱託の審査会を実施しており、訓練した犬がこれに合格すると一人前の訓練士として認められる。この他にも、各種団体が開催する訓練競技会があり、これらに出場して犬がよい成績をあげられるよう訓練することも大切な仕事である。
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 指導 | 5.2 | 5 / 498 | 上位1% |
| 傾聴力 | 5.0 | 98 / 498 | 上位20% |
| 説明力 | 5 | 51 / 498 | 上位10% |
| 説得 | 5 | 12 / 498 | 上位2% |
| 他者の反応の理解 | 4.9 | 23 / 498 | 上位5% |
| 交渉 | 4.5 | 26 / 498 | 上位5% |
| 対人援助サービス | 4.4 | 30 / 498 | 上位6% |
| 学習方法の選択・実践 | 4.3 | 31 / 498 | 上位6% |
| 継続的観察と評価 | 4.3 | 44 / 498 | 上位9% |
| 新しい情報の応用力 | 4.2 | 58 / 498 | 上位12% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 心理学 | 3.3 | 7 / 508 | 上位1% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.9 | 71 / 508 | 上位14% |
| 教育訓練 | 2.8 | 19 / 508 | 上位4% |
| 生物学 | 2.5 | 19 / 508 | 上位4% |
| セラピーとカウンセリング | 2.5 | 37 / 508 | 上位7% |
| 社会学 | 2.1 | 34 / 508 | 上位7% |
| 販売・マーケティング | 1.7 | 146 / 508 | 上位29% |
| コミュニケーションとメディア | 1.7 | 157 / 508 | 上位31% |
| 医学・歯学 | 1.7 | 82 / 508 | 上位16% |
| 事務処理 | 1.6 | 310 / 508 | 上位61% |
なるには
犬の訓練士になるには、日本警察犬協会、ジャパンケネルクラブ、日本シェパード犬登録協会、日本盲導犬協会、日本聴導犬協会が実施している所定の試験に合格して、訓練士の資格を取得する必要がある。 まず見習として訓練所に入って技術を身につけ、資格を取得後、訓練士として訓練所で働く。その後は、独立・開業する場合もある。 盲導犬訓練士の場合は、国家公安委員会が指定する訓練施設で研修を受け、盲導犬訓練施設に採用されることが必要である。聴導犬訓練士あるいは介助犬訓練士の場合は、指定訓練施設で研修を受け、聴導犬又は介助犬の訓練施設に採用されることが必要である。 犬が好きというだけでは務まらず、犬を指示通りに動かすことができる技能や根気、飼い犬を預かる責任感、一定の体力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門学校卒 | 0.5 |
| 高卒 | 0.3 |
| 大卒 | 0.2 |
| わからない | 0.2 |
| 高卒未満 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「獣医師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 491.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 955.5千円 |
| 平均年齢 | 38歳 |
| 平均勤続年数 | 8年 |
| 労働者数 | 593人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤357.5千円
- ≤410.8千円
- ≤477.6千円
- ≤545.7千円
- ≤740.9千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
訓練士には、住込みの見習訓練士、住込み訓練士、訓練所をかまえている訓練士、訓練所は持たないが独立して出張訓練などを行う訓練士の4つの類型がある。 訓練所は年中無休で、休日は当番制が一般的である。展覧会や競技会の開催は日曜日が多くなっている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 調教師近さ 0.675
- 児童相談所相談員近さ 0.651
- 福祉ソーシャルワーカー近さ 0.603
- 医療ソーシャルワーカー近さ 0.596
- 訪問介護のサービス提供責任者近さ 0.586
- スポーツインストラクター近さ 0.584
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.574
- 児童発達支援管理責任者近さ 0.573
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)