どんな職業か
顧客の依頼を受けて調査対象者の所在又は行動についての情報を収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込み等により実地の調査を行い、その調査結果を顧客に報告する。 探偵業を行うためには、2007年に施行された探偵業法に基づき、営業所ごとに当該営業所の所在地を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に探偵業の届出をしなければならない。特別な資格等は必要なく、探偵業法第3条に定められる欠格事由に該当しなければ探偵業を行うことができる。2024年末の探偵業の届出数(営業所数)は7,098件である。このうち個人の届出が72.4%、法人の届出が27.6%となっている。なお、届出をしても他の法令で禁止・制限されている行為を行うことはできず、また特別な権限が与えられることはない。 メールや電話等により顧客から連絡を受けて依頼内容の概要を把握した上で、探偵事務所又は顧客が指定する場所で対面等により面談を行い、依頼内容の詳細を聞くとともに、調査方法や調査費用等について説明する。契約内容について顧客と合意した後に書面で契約を結ぶ。 主な依頼内容は、浮気調査等の行動調査、家出した人等の行方をさがす人探しの調査である。探偵業者によって得意とする調査分野は異なる。調査は、2人のチームで行うことが基本であるが、依頼内容によって対応人数の増減がある。 実地の調査において、聞込みでは、調査対象者の関係者に接触して情報を得る。尾行では、自動車・バイクの利用や、電車と徒歩を使い分けて依頼対象者の跡を付けてその行動を確認する。張込みでは、一定の場所に待機して依頼対象者の所在や行動等を確認する。屋外等の同じ場所に長時間居続けることが多く、時には車中泊になることもある。途中で服装を変えたり、人員を交代することもある。調査では、動画や写真の撮影により依頼対象者の所在や行動の証拠を示すための情報を収集することが求められる。 調査が終了したらこれを報告書にまとめ、顧客に報告し、調査経費を精算する。場合によっては、顧客に対して今後の対応に関するアドバイス等を行うこともある。契約書及び関連書類一式は鍵付きのロッカー等に保存し、それ以外の調査を通じて取得した動画、写真等の個人情報は破棄する。 探偵業者の規模によっては、調査依頼の受付・依頼事案の聞き取り・契約の締結、調査の実施、報告書の作成の業務等が分担されている場合もある。 仕事をする上で苦労を感じるのは、張込みが長時間に及んで身体的につらいときがあること、調査を進めても所在や行動の証拠となる情報をなかなか収集できないときなどである。一方で、必要な情報を収集して調査を終了させ、報告書の提出時に顧客から感謝されたときにはやりがいを感じる。 ◇よく使う道具、機材、情報技術等 4Kビデオカメラ、小型ビデオカメラ、暗視ビデオカメラ、モバイルWi-Fiルーター、パソコン、ICレコーダー
なるには
入職にあたって、高卒程度の学歴があれば特に資格は必要ない。新卒よりも中途採用が多い。縁故のほか求人情報サイトも利用されている。 入職後の研修は探偵業者によって異なるが、探偵業法では探偵業者はその従業員などに対して探偵業務を適正に実施させるため必要な教育を行わなければならないとされており、探偵業法、刑法、個人情報保護法等の法律や適正な探偵業務の実施方法等について、社内での教育プログラムを実施したり、関連団体が開催する勉強会に従業員などを参加させる例もある。このほか実地調査の仕方については主にOJTで学ぶことができる。探偵としての経験を重ねて、自ら探偵業を開業したり、他の探偵業者に転職する人もいる。 実地調査で自動車やバイクを運転する機会があるので、普通自動車免許や自動二輪車免許があることが望ましい。ビデオカメラ等の電子機器に関する最新知識を持ち、これらを的確に使いこなす能力があれば、実地調査での情報収集に役立つ。また、自らの調査方法が違法でないかを判断するための法律知識も必要である。報告書を作成するために文章力と一般的なパソコン技術も必要である。 このほか、業務上知り得た秘密の保持が重要であることから口が堅いこと、長時間の尾行や張込みに対応するための忍耐力や体力、情報収集の機会を逃さないための集中力と機敏さ、また、突発的な出来事や想定外の事態にも冷静に対応できることが求められる。
関連する資格
- 普通自動車免許
- 自動二輪車免許
給料
賃金構造基本統計調査では「警備員」として集計されています(2023年・全国)。この区分には10の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 279.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 403.4千円 |
| 平均年齢 | 51.6歳 |
| 平均勤続年数 | 11.1年 |
| 労働者数 | 19,696人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤231.2千円
- ≤250.3千円
- ≤270.9千円
- ≤284.1千円
- ≤339.1千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
探偵業の職場は全国に広がっている。その立地は様々であり、駅前で目立つ看板を掲げているところもあれば、出入りが目立たない場所にありあえて看板を掲げていないところもある。実地調査では、依頼内容によって、近隣の都道府県での調査やより遠距離の出張調査もある。 就業形態は正社員が中心であるが、アルバイト・パート等が雇用されている場合もある。また、探偵事務所を自営する場合も多い。これまで男性が多い職業と言われていたが、近年は女性の比率が増えている。 賃金、労働時間等の労働条件は、勤務先の規定による。調査状況によって土日祝日が休みになるとは限らず、就業時間が長くなるときもある。 近年、ビデオカメラの性能の高度化などデジタル技術の進展により、精度が高い画像の撮影や離れた場所からの撮影が可能になり、また、パソコンでの画像の調整や編集作業が短時間でできるようになったこと等により、実地調査において従来よりも効率的な情報収集ができるようになっている。
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)