どんな職業か
少年鑑別所や少年院、刑事施設などに勤務し、心理学の知識を生かして、非行・犯罪臨床の最前線で働く。 少年鑑別所では、入所した少年に対して面接や各種心理検査を行い、知能や性格等の資質上の特徴、非行に至った原因、今後の処遇上の指針を明らかにする。結果は、「鑑別結果通知書」として、家庭裁判所に送付され(収容審判鑑別)、審判や少年院・保護観察所での指導・援助に活用される。また、家庭裁判所の審判決定により、少年院に送致された少年や保護観察処分になった少年にも、専門的なアセスメント機能を活用して継続的に関与する(処遇鑑別)。 これらに加え、心理学に関する専門的な知見を生かして、地域社会の非行・犯罪の防止に貢献するため、一般の方や関係機関等からの依頼に応じ、相談・助言や心理検査等を行っており、学校等の関係機関と連携した非行防止や青少年の健全育成のための活動にも積極的に取り組んでいる(地域援助)。 刑事施設では、受刑者の改善更生を図るため、面接や各種心理検査を行い、犯罪に至った原因、今後の処遇上の指針を明らかにする。また、再犯防止に関する改善指導プログラムの実施や、受刑者へのカウンセリング等も行っている。 少年院では、家庭裁判所の審判の結果、少年院送致となった少年に対し、一人ひとりに応じた矯正教育の計画策定、各種プログラムの実施等を行う。福祉や就労支援等の専門職員等と協力して、出院後に必要な支援につなぐ業務にも携わる。 このように、心理アセスメント、心理相談、これらの業務に関する調査・研究のほか、専門的知見に基づく外部の方への研修の実施等、心理職としての専門的な業務を幅広く行っている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 6.7 | 2 / 498 | 上位1% |
| 他者の反応の理解 | 6.5 | 1 / 498 | 上位1% |
| 文章力 | 6.3 | 2 / 498 | 上位1% |
| 読解力 | 6 | 5 / 498 | 上位1% |
| 対人援助サービス | 5.9 | 1 / 498 | 上位1% |
| 説明力 | 5.6 | 9 / 498 | 上位2% |
| 論理と推論(批判的思考) | 5.5 | 5 / 498 | 上位1% |
| 指導 | 5.4 | 3 / 498 | 上位1% |
| 複雑な問題解決 | 5.1 | 4 / 498 | 上位1% |
| 他者との調整 | 4.9 | 18 / 498 | 上位4% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 心理学 | 5 | 1 / 508 | 上位1% |
| セラピーとカウンセリング | 4.8 | 1 / 508 | 上位1% |
| 日本語の語彙・文法 | 4.6 | 2 / 508 | 上位1% |
| 社会学 | 4.3 | 2 / 508 | 上位1% |
| 事務処理 | 3.9 | 4 / 508 | 上位1% |
| 教育訓練 | 3.7 | 2 / 508 | 上位1% |
| 医学・歯学 | 3.3 | 34 / 508 | 上位7% |
| 法律学、政治学 | 3.1 | 26 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.2 | 193 / 508 | 上位38% |
| 哲学・宗教学 | 1.9 | 9 / 508 | 上位2% |
なるには
国家公務員採用試験である法務省専門職員(人間科学)採用試験のうち、矯正心理専門職A(男性)または矯正心理専門職B(女性)区分で合格し、採用されることが必要である。試験は第1次試験(基礎能力試験、専門試験)と第2次試験(人物試験、身体検査、身体測定)があり、専門試験では大学レベルの心理学に関連する領域が必須問題として出題される。 採用予定数は、2025年度は、矯正心理専門職Aが約25名、矯正心理専門職Bが約20名である。 採用されると、1年目に新規採用職員を対象とした基礎科研修、5年目に専門性を向上させるための応用科研修が矯正研修所で行われる。おおむね10年目には、更に高度な知識及び技能を習得させるための特別科研修が設けられている。このほか、幹部職員となるための高等科研修や種々の専門研修、さらに、海外・国内留学の制度などが設けられている。 昇任については、採用後おおむね5年目に専門官に昇任し、その後は能力に応じ統括専門官(課長相当)、首席専門官、施設長等に昇任する道も開かれている。 臨床心理学など心理学に関する高度な専門知識に加えて、社会学や少年法を始めとする関係法令等に関する専門知識と、そうした専門性向上のための自己研さんが常に求められる。また、心理面接やグループワークなどを通して対象者の内面や人生とかかわることになるため、相手に寄り添う姿勢とともに、冷静かつ客観的な判断力が不可欠である。さらに、家庭裁判所、保護観察所といった関係機関の職員と協力して仕事を進めることができる協調性や柔軟性も必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 1 |
| 大卒 | 0.6 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0 |
| 高卒 | 0 |
| 専門学校卒 | 0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
主な勤務場所となるのは少年鑑別所、少年院、刑事施設(刑務所、少年刑務所等)である。 少年鑑別所等に勤務する法務技官(心理)には、一般の国家公務員に適用される行政職俸給表(一)に比べ12%程度給与水準の高い公安職俸給表(二)が適用される。このほかに期末・勤勉手当等各種手当が支給される。 週当たりの勤務時間は38時間45分(週休2日制)であり、1日7時間45分の勤務を行う場合と交替制勤務(昼間勤務と昼夜間勤務がある)を行う場合がある。休暇制度等は国家公務員法の規定による。 勤務地等については本人の希望が考慮され、原則として採用施設を所管する矯正管区(8管区)の管轄地域内で異動する。 宿舎は、勤務庁の近隣に設けられており、公安職俸給表適用職員の特例により、宿舎費は原則として無料となる。 国家公務員であるので、国家公務員等共済組合に加入し、各種の福利厚生制度や年金制度の適用を受ける。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 家庭裁判所調査官近さ 0.924
- 児童相談所相談員近さ 0.869
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.862
- スクールカウンセラー近さ 0.847
- 医療ソーシャルワーカー近さ 0.837
- 言語聴覚士近さ 0.825
- 老人福祉施設生活相談員近さ 0.800
- 福祉ソーシャルワーカー近さ 0.785
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)