どんな職業か
臨床心理に関する専門知識を活かし、学校現場で、児童や生徒及び保護者、教職員に相談・支援を行う。 不登校やいじめ、親子関係、学習関連など様々な問題や心の悩みを抱えた児童・生徒に寄り添い、専門的な知識やスキルを駆使して心のケアや早期の立ち直りを促す仕事である。 具体的には児童・生徒の相談にのり、カウンセリングを行う。また、保護者、教職員に対しては相談や専門的見地からの助言を行う。校内の会議に参加し、教職員や児童・生徒に対する研修や講話、心理上の見立てや問題への対応、さらにはストレスマネジメントの立場から予防対策を考え、事件・事故などで傷ついた心のケアを図っていく。 児童・生徒が抱えている問題や悩みは、いじめや不登校に関するものを筆頭に、友人関係や親子関係、学習問題に加え、最近では発達障害や精神疾患など問題が複雑かつ多様になっている。 スクールカウンセラーに対して特別活動や授業時間への参加を求めたり、教育相談に関する校内でのコーディネータ-の役割を期待する声が高まっている。 スクールカウンセラーの業務を1日の流れに沿ってみると、学校に出勤して、まず学年主任や養護教諭との間で児童・生徒に関する情報を交換・共有する。児童・生徒の保護者からの相談があれば対応する。また、相談室に直行してきた不登校の児童・生徒がいれば相談にのる。不登校が続いている児童・生徒に手紙を書くこともある。一連の業務を終え、校内の会議があれば出席し、その日の記録を整理して退勤という流れになっている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 6.5 | 5 / 498 | 上位1% |
| 他者の反応の理解 | 6.1 | 4 / 498 | 上位1% |
| 対人援助サービス | 5.5 | 3 / 498 | 上位1% |
| 説明力 | 5.4 | 16 / 498 | 上位3% |
| 文章力 | 5.1 | 42 / 498 | 上位8% |
| 読解力 | 4.9 | 54 / 498 | 上位11% |
| 継続的観察と評価 | 4.9 | 9 / 498 | 上位2% |
| 他者との調整 | 4.8 | 24 / 498 | 上位5% |
| 複雑な問題解決 | 4.8 | 13 / 498 | 上位3% |
| 新しい情報の応用力 | 4.5 | 36 / 498 | 上位7% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| セラピーとカウンセリング | 4.0 | 4 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 4 | 4 / 508 | 上位1% |
| 教育訓練 | 3.2 | 7 / 508 | 上位1% |
| 社会学 | 3.1 | 6 / 508 | 上位1% |
| 医学・歯学 | 2.7 | 44 / 508 | 上位9% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.6 | 57 / 508 | 上位11% |
| 事務処理 | 2.4 | 131 / 508 | 上位26% |
| コミュニケーションとメディア | 2.3 | 44 / 508 | 上位9% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.2 | 203 / 508 | 上位40% |
| 公衆安全・危機管理 | 2.1 | 35 / 508 | 上位7% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話表現 | 4.1 | 5 / 426 | 上位1% |
| 発話理解 | 4.0 | 4 / 426 | 上位1% |
| トラブルの察知 | 4.0 | 9 / 426 | 上位2% |
| 記述表現 | 3.9 | 16 / 426 | 上位4% |
| 記述理解 | 3.8 | 17 / 426 | 上位4% |
| 演繹的推論 | 3.5 | 17 / 426 | 上位4% |
| 帰納的推論 | 3.5 | 17 / 426 | 上位4% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.2 | 44 / 426 | 上位10% |
| 発話明瞭性 | 3.2 | 17 / 426 | 上位4% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3.2 | 85 / 426 | 上位20% |
仕事内容
- 臨床心理に関する専門知識を活かし、学校現場で、児童や生徒及び保護者、教職員に相談・支援を行う。
- 児童・生徒のカウンセリングを行う。
- 相談室に直行してきた不登校児童生徒の相談にのる。
- 不登校児童生徒に対し手紙を書く。
- 保護者との面談を実施する。
- 保護者からの相談に対応する。
- 児童・生徒への対応について、教職員にコンサルテーションを行う。
- 教職員のメンタルケアを行う。
- 相談者に対するアセスメント、検査をする。
- 危機対応時における心のケアをする。
- 教員や保護者に対する研修および講話をする。
- 児童・生徒向けに授業を実施する。
- 授業を観察する。
- 校内の会議等に出席する。
- 職員会議等に出席し、学年主任、養護教諭との情報交換・共有をする。
- 他の関係機関と連携する。
- 教職員や保護者・児童向けのお便りを作成する。
- 児童・生徒の家庭を訪問する。
- 相談記録等の整理を行う。
なるには
スクールカウンセラーに就くためには、公認心理師、臨床心理士の資格が必要とされることが一般的である。臨床心理士の資格を取得するには大学を卒業後に指定大学院を修了するか、または臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了し資格試験に合格しなければならない(*1)。 公認心理師は国家資格で、大学、大学院でそれぞれ必要な科目を履修するか、大学で必要な科目を履修後、一定期間実務経験を積むなどした後、資格試験に合格し登録簿へ登録することで名乗ることができる(*2)。 資格取得後、各自治体の教育委員会か又は私立学校の公募に応募して採用されれば、スクールカウンセラーとして活動することができる。臨床心理学の専門知識とそれに基づく分析力、見立て力や心を開かせる質問力、傾聴力が求められる。外部の協力機関への迅速・正確な対応力、チームコーディネートにも優れた技術がなければならない。さらに報告書の作成やスクールカウンセラー通信、児童・生徒への手紙などを書く文章力、また、守秘義務に対する理解が求められる。 *1 公益財団法人日本臨床心理士協会から 臨床心理士になるには *2 一般財団法人日本心理研修センターから 公認心理師試験について
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.6 |
| 大卒 | 0.4 |
| 博士課程卒 | 0.2 |
| 高卒 | 0.0 |
| 専門学校卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0.0 |
関連する資格
- 公認心理師
- 臨床心理士
給料
賃金構造基本統計調査では「小・中学校教員」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 424.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,507.2千円 |
| 平均年齢 | 41歳 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 労働者数 | 3,296人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤353.7千円
- ≤386.3千円
- ≤415.3千円
- ≤455.4千円
- ≤516.1千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は全国の小中学校や高等学校である。多くの場合、週に何日か、決められた時間に非常勤職員として働いている。 賃金はほとんどの場合、時給制となっており、時給額については自治体や勤務先の学校によって異なる。 出勤日数は様々で、週8時間程度、1年契約の非常勤職員という雇用形態をとる自治体が多い。したがって、1校あたり1日の勤務時間は3~4時間であり、大半のスクールカウンセラーが2~3校を掛け持ちで担当するケースが一般的となっている。 残業は原則としてないが、緊急事態に対しては決められた勤務時間を超えて対応している。 社会的な役割が増大しており、国も体制の充実に取り組んでいる。 学校や児童・生徒を取り巻く問題が増加し、複雑化する中、心理学の専門知識を有するスクールカウンセラーの社会的な役割が増大している。国も2017年に教育分野も含め、心理的支援を必要とする者やその関係者への援助等を目的に「公認心理師法」を施行、2018年には公認心理師の第1回国家試験が実施されたほか、「教育機会確保法」に心理に関する専門家の役割が明記されるなど、体制の充実に取り組んでいる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- カウンセラー(医療福祉分野)近さ 0.899
- 法務技官(心理)(矯正心理専門職)近さ 0.847
- 家庭裁判所調査官近さ 0.830
- 児童相談所相談員近さ 0.808
- キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント近さ 0.808
- 医療ソーシャルワーカー近さ 0.806
- 保健師近さ 0.789
- 手話通訳者近さ 0.743
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)