どんな職業か
乳牛を飼養し、牛乳やチーズなど乳製品の原料となる生乳を生産する。 酪農だけを専門に行っている酪農家は平均40~50頭の成長した乳牛を飼養している。酪農には乳牛、施設・機械、農地などの経営資産が必要であり、これらを新規に取得することは難しいため、ほとんどの場合、親族から継承するか、新規参入の場合も後継者のいない酪農家から継承する。 1日の仕事は、早朝6時頃の飼料給与(しりょうきゅうよ:エサやり)と搾乳に始まる。朝のうちに牛舎の清掃を済ませ、昼間は牛の健康チェックや堆肥生産作業などをする。また、春から秋にかけては飼料の生産を行う。夕方には再び飼料給与、搾乳、牛舎の清掃を行い、夜8時頃には作業が終了する。 搾乳は、乳牛1頭から1日あたり20kg以上の生乳を搾るという最も重要な作業である。以前は手搾りであったが機械化が進んでおり、「搾乳ロボット」も実用化されつつある。 搾った生乳は衛生管理に配慮して保存し、農協等を通じて出荷する。最近では、牛乳やチーズ等乳製品の生産・販売を自ら行う酪農家も増加している。その他にも生乳からソフトクリーム・ヨーグルトなどを地元特産品として生産・販売したり、体験型の観光としてアグリツーリズムや青少年のための酪農教育施設などがあり、地域の活性化につながっている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 搾乳ロボット、搾乳機械、トラクター、パソコン、普通自動車(普通免許(第一種、第二種)で運転可能なもの)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 3.2 | 430 / 498 | 上位86% |
| 継続的観察と評価 | 3.1 | 260 / 498 | 上位52% |
| 読解力 | 2.9 | 403 / 498 | 上位81% |
| 説明力 | 2.9 | 414 / 498 | 上位83% |
| 新しい情報の応用力 | 2.8 | 304 / 498 | 上位61% |
| 指導 | 2.8 | 405 / 498 | 上位81% |
| 修理 | 2.8 | 118 / 498 | 上位24% |
| 道具、機器、設備の選択 | 2.6 | 283 / 498 | 上位57% |
| 保守点検 | 2.4 | 140 / 498 | 上位28% |
| 論理と推論(批判的思考) | 2.4 | 341 / 498 | 上位68% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 農業・畜産業 | 4.0 | 1 / 508 | 上位1% |
| 生物学 | 2.6 | 16 / 508 | 上位3% |
| 生産・加工 | 2.2 | 87 / 508 | 上位17% |
| 機械 | 1.8 | 96 / 508 | 上位19% |
| 事務処理 | 1.4 | 354 / 508 | 上位70% |
| 公衆安全・危機管理 | 1.4 | 167 / 508 | 上位33% |
| 化学 | 1.3 | 100 / 508 | 上位20% |
| ビジネスと経営 | 1.3 | 257 / 508 | 上位51% |
| 数学 | 1.3 | 174 / 508 | 上位34% |
| 地理学 | 1.2 | 65 / 508 | 上位13% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 持久力(スタミナ) | 3.8 | 1 / 426 | 上位1% |
| トラブルの察知 | 3.8 | 37 / 426 | 上位9% |
| 筋力 | 3.5 | 6 / 426 | 上位1% |
| 記憶力 | 3.4 | 11 / 426 | 上位3% |
| 平衡感覚 | 3.1 | 19 / 426 | 上位4% |
| 奥行きの知覚(遠近感覚、深視力) | 3.1 | 20 / 426 | 上位5% |
| 聴覚の感度 | 3.1 | 18 / 426 | 上位4% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 3.1 | 10 / 426 | 上位2% |
| 演繹的推論 | 3.1 | 114 / 426 | 上位27% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.1 | 50 / 426 | 上位12% |
仕事内容
- 乳牛を飼養し、牛乳やチーズなど乳製品の原料となる生乳を生産する。
- 飼料を牛に与える。
- 搾乳機などを使い、衛生的に搾乳する。
- 搾乳した牛乳を冷却保存し、出荷する。
- 牛舎を清掃し、快適で清潔な環境を保つ。
- 集めたフンを処理して堆肥をつくる。
- 防疫や消毒をする。
- 牛の健康を管理し、必要に応じて獣医の診察を受けさせる。
- 牛の除角をする。
- 牛の爪切りをする。
- 必要な飼料を購入する。
- 生育状態に合わせて飼料を調合し、与える。
- 飼料用の作物や牧草を育て、時期を見て刈り取り、サイロなどに貯蔵する。
- 親牛に適切な時期に種付けをして計画的に出産させる。
- 新たに生まれた子牛を哺育する。
- 家畜市場に子牛を出荷する。
- 必要のなくなった家畜を処分する。
- 放牧場を管理し、牛を放牧させる。
- 搾乳した牛乳を乳製品に加工し、販売する。
- 設備の点検管理や修理をする。
なるには
酪農家の親族のもとで経験を積み、家業を継ぐケースが多い。転職で就農する場合は、酪農ヘルパー、海外研修や酪農家手伝い、牧場従業員を経験してから就農する道がある。 自宅が酪農家でない場合は、農業大学校や研修施設などで基礎を学び、酪農家のもとで実習を行って技術を身につける。酪農ヘルパーとして経験を積む方法もある。 酪農経営には、乳牛の管理、飼養管理、育種改良、繁殖管理、飼料生産、搾乳機械等の衛生管理、ふん尿処理などに関する知識と技術が必要である。また、搾乳や牧草生産など機械化が進んでいるので、機械の操作やパソコンを使っての生産管理の技術も重要である。 飼料生産に用いるトラクターを運転するための大型特殊自動車免許やけん引免許を取得しておくと役に立つ。また、「家畜人工授精師」の資格を取得すると、乳牛の繁殖を自ら行うことができる。「家畜人工授精師」は、家畜の人工授精が円滑に行われるための国家資格で農林水産大臣の指定する者又は都道府県が家畜種類別に行う講習会の課程を修了してその修業試験に合格した者に与えられる。 体を動かす仕事であるため、一定の体力が必要とされる。生物が好きであることが不可欠で、自営の場合は経営センスも必要とされる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.4 |
| 大卒 | 0.4 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| わからない | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.0 |
関連する資格
- 大型特殊自動車運転免許
- 牽引免許
- 家畜人工授精師
給料
賃金構造基本統計調査では「飲食物調理従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には15の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 272.5千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 319.2千円 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 平均勤続年数 | 9.6年 |
| 労働者数 | 42,230人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤227.4千円
- ≤242.1千円
- ≤262.5千円
- ≤279.2千円
- ≤320.9千円
働き方の特徴
酪農のみを専門に行う家族経営の酪農家のほかに、肉用牛生産や農作物の栽培を兼ねている酪農家もいる。他の農業と異なり、毎日の搾乳があるため、農業以外の仕事との兼業は難しい。 一般的に、朝6時頃から夜8時頃までが作業時間であるが、昼間は比較的時間が自由になる。 搾乳や飼料給与を毎日行う必要があるため、基本的には休日が確保できない。そこで、酪農家の休日確保のため、酪農家の作業を請け負う酪農ヘルパーの制度があり利用が進んできている。 収益は、技術差などによる生産コストの違いによって個人差がかなりある。 生乳の需要増に対する生産増が必要とされているので、雇用労働力の確保・省力化機械の導入等で労働環境の改善が進められている。 家畜管理等の技術が進み家畜にICチップを導入して個体を管理する事で、搾乳、給餌、繁殖、乳製品製造の自動化が進み、行動観察等から得たデータをシステムで一元管理でき、事務処理までも一連の流れとして管理できるようになっている。 従来からの酪農家は高齢化し後継者が不足しており、経営資産を継承して新規に参入する機会は増えていくものと考えられる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 畜産技術者近さ 0.688
- 動物園飼育員近さ 0.670
- 厩舎スタッフ近さ 0.655
- 稲作農業者近さ 0.655
- 果樹栽培者近さ 0.569
- 金属プレス工近さ 0.568
- 沿岸漁業従事者近さ 0.560
- ブリーダー近さ 0.560
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)