どんな職業か
国・地方公共団体・会社・社団法人・財団法人等の法人組織において、経理課(課相当を含む)の業務を管理・監督する仕事に従事する。組織によって課や職位の名称が異なる場合があるが、ここでは、一般的に経理課長といわれる職業について記述する。 経理の仕事とは、仕分伝票の起票、各種帳簿の作成、月次決算書類の作成、貸借対照表・損益計算書などの年次決算書類の作成、納税書類の作成などをいう。 経理課長は、管理職として、経理課において、組織全体の経理事務の統括、課員の業務分担の設定、業務の進捗管理、業務遂行に係る承認や指導・助言、人事評価や勤務管理等の人事労務管理等を行う。管理業務のほかに、経理事務を課員と分担して行っていることもある。また、定例業務の統括のほか、会計監査、税務調査への対応において中心的な役割を果たすことも多い。出入金の管理等についての他部署からのヒアリング実施や、月次決算などの役員会等に提出する資料の作成、銀行との融資にかかる折衝、契約する公認会計士、監査法人への社内の会計処理についての説明や意見聴取を行う場合もある。 経理という仕事の性質上、金銭上の数字の誤りなく正確に期限までに業務を終えることが重要であり、業務の進捗状況と経理の内容に係る数字等の正確さに常に留意し業務を管理する必要がある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン、業務管理システム、経理・会計管理のソフト、クラウド、表計算ソフト(Excel等)、会社法、金融商品取引法等会計処理関係法令
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 4.6 | 176 / 498 | 上位35% |
| 資金管理 | 4.6 | 3 / 498 | 上位1% |
| 文章力 | 4.5 | 108 / 498 | 上位22% |
| 読解力 | 4.5 | 131 / 498 | 上位26% |
| 説明力 | 4.4 | 144 / 498 | 上位29% |
| 指導 | 4.3 | 79 / 498 | 上位16% |
| 他者との調整 | 4.0 | 139 / 498 | 上位28% |
| 説得 | 3.9 | 123 / 498 | 上位25% |
| 交渉 | 3.8 | 120 / 498 | 上位24% |
| 継続的観察と評価 | 3.8 | 130 / 498 | 上位26% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 事務処理 | 3.1 | 29 / 508 | 上位6% |
| 経済学・会計学 | 2.9 | 11 / 508 | 上位2% |
| ビジネスと経営 | 2.6 | 22 / 508 | 上位4% |
| 人事労務管理 | 2.3 | 22 / 508 | 上位4% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.0 | 240 / 508 | 上位47% |
| 販売・マーケティング | 1.8 | 132 / 508 | 上位26% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.7 | 191 / 508 | 上位38% |
| 法律学、政治学 | 1.6 | 114 / 508 | 上位22% |
| コミュニケーションとメディア | 1.6 | 191 / 508 | 上位38% |
| 数学 | 1.4 | 144 / 508 | 上位28% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.2 | 303 / 426 | 上位71% |
| 帰納的推論 | 2.9 | 161 / 426 | 上位38% |
| 演算力 | 2.9 | 56 / 426 | 上位13% |
| 記述表現 | 2.9 | 223 / 426 | 上位52% |
| 発話表現 | 2.9 | 252 / 426 | 上位59% |
| 数学的推論 | 2.9 | 67 / 426 | 上位16% |
| 演繹的推論 | 2.8 | 203 / 426 | 上位48% |
| 記述理解 | 2.8 | 233 / 426 | 上位55% |
| 記憶力 | 2.8 | 217 / 426 | 上位51% |
| カテゴライズ | 2.8 | 133 / 426 | 上位31% |
仕事内容
- 経理課(課相当を含む。)の業務を管理・監督する仕事に従事する。
- 所属組織内の経理事務を統括する。
- 課の業務の進捗管理を行う。
- 部下に対して、業務遂行に係る承認や指導・助言を行う。
- 部下の人事評価や勤務勤怠管理等の人事労務管理を行う。
- 課の経理業務の一部を課員と分担して行う。
- 会計検査や税務調査に対応する。
- 出入金の管理等について他部署からのヒアリングを行う。
- 月次決算等の役員会に提出する資料を作成する。
- 銀行と融資にかかる折衝を行う。
- 社内の会計処理等について公認会計士や監査法人に説明し、意見を求める。
なるには
内部登用の場合と、中途採用される場合がある。内部登用では、総合職採用等で他部門へ配属された後に、経理部門で一定年数の経験を積んで就く場合や、経理の専門職として経験を積んで就く場合等がある。一方、中途採用では、外部から課長職に応募して就く場合、親会社や金融機関から出向して就く場合、経理の経験者が転職し、数年勤務した後、課長に就く場合等がある。いずれのケースでも、課長に就く以前に、経理職としての一定年数の経験を積んでいる場合が多い。 管理職へ昇進する際には、セクハラやパワハラ研修などの社内コンプライアンス遵守に関する研修や部下の能力評価などの人事労務管理に関する研修、リーダーシップの発揮や部下のサポートの仕方、より良好な組織風土の作り方の研修等の何らかの管理職研修を受ける場合が多い。 経理課長として求められるのは、会社法、金融商品取引法などの会計処理に関する法令内容及び法人税法、消費税などの税務処理に関する法令内容と組織内の処理方法等の経理事務に関する全般的な知識である。部下の仕事ぶりを確認し指導するために、経理の実務をよく知っていることが必須である。簿記の資格を持っている人も多い。経理事務以外の現場での経験を持っていると、業務を行う際に役に立つ。経理事務の性質上、業務上の数字への関心、その数値の根拠を突き詰めて考える姿勢が求められる。また、経費支出の必要性等に関する他部署等との調整があるため、高いコミュニケーション能力が求められる。組織の金銭の流れを管理する立場であることや、期日を守り正確に仕事を進めることが重要であるため、責任感や正義感、トラブルがあったときに解決策をまとめる力も必要である。さらに、他の部署と比べて、売り上げへの貢献や新製品の開発といった成果が見えづらいため、経理課長として、社内に向けて、経理課の業務内容を発信していくアピール力や、部下をまとめるリーダーシップがあることも望ましい。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.6 |
| 高卒 | 0.3 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 短大卒 | 0.0 |
| わからない | 0.0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「総合事務員」として集計されています(2023年・全国)。この区分には8の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 341.7千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,008.5千円 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 平均勤続年数 | 13.3年 |
| 労働者数 | 121,664人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤264.6千円
- ≤276.9千円
- ≤304.2千円
- ≤319.1千円
- ≤403.8千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「管理的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率0.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人21.3千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比2.8%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比4.8%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
管理的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 管理的職業70.1%
- 専門的・技術的職業9%
- 事務7.7%
- 生産工程5.3%
- サービス職業3%
- 保安職業2.2%
- その他2.9%
この分類に入った人のうち、29.9%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は所属組織の経理部門であり、職場は全国に広がっている。賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。就業時間は規則的なことが多く、土日祝日は休みとなることが多い。ただし、勤務先にもよるが、月末月始の月次決算時や、会社の予算策定時など、特定の時期に労働時間が通常よりも長くなることがある。オフィス内での仕事がほとんどであり、顧客先を回ることは少ない。 経理・会計の仕事は社内業務システムの導入等コンピュータ化が進んでおり、業務は高度化・専門化している。また、これまでは経理事務といえばまず入力が必要であったが、今後は、領収書をOCRで読み込むなどにより入力業務の割合が減少し、組織内のシステムを使って提出されるデータのチェック業務が増えてくるとみられること、ペーパーレス化が一層進展し書類の整理業務の減少が見込まれることなどから、経理の仕事内容が変化してくるのではないかと考えられる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 内部監査人近さ 0.783
- 税理士近さ 0.781
- 企画・調査担当近さ 0.765
- 公認会計士近さ 0.759
- アクチュアリー近さ 0.742
- 総務課長近さ 0.741
- コンプライアンス推進担当近さ 0.721
- IR広報担当近さ 0.717
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)