どんな職業か
医学研究には、医師として臨床業務に従事しながら研究を進めていく臨床研究と、大学医学部や研究機関において研究専従で研究を進めていく基礎研究がある。ここでは基礎研究者について記述する。(大学教員については「大学・短期大学教員」を参照。) 基礎研究は主として解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理学、免疫学、微生物学、衛生学など多くの分野に分かれ、仕事の内容もそれぞれの専門によって大きく異なる。医学は生物学の応用を中心にしながら、物理、化学、工学など幅広い学問領域を総合して進めなければならないため、医学研究者の研究手法も多様である。例えば、病理学や微生物学は顕微鏡を用いて病変を観察するのが大きな仕事である。生理学や生化学は実験動物や培養細胞を用いて実験することが求められる。衛生学は公衆衛生のために社会とつながりを持たなければならず、そのため特に統計的手法が重視される。 いずれの分野の研究者も、それぞれの研究手法を用いて実証的に理論体系を明らかにしていく。研究成果は論文などにまとめて発表する。研究業績は重要な学術誌(特に海外誌)に論文がどれだけ掲載され、どのくらい引用されているかによって評価される。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 顕微鏡、文書作成ソフト(Word、一太郎等)、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 5.6 | 17 / 498 | 上位3% |
| 説明力 | 5.5 | 15 / 498 | 上位3% |
| 文章力 | 5.3 | 27 / 498 | 上位5% |
| 外国語を読む | 5.3 | 7 / 498 | 上位1% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.9 | 23 / 498 | 上位5% |
| 指導 | 4.9 | 23 / 498 | 上位5% |
| 新しい情報の応用力 | 4.8 | 21 / 498 | 上位4% |
| 傾聴力 | 4.8 | 140 / 498 | 上位28% |
| 学習方法の選択・実践 | 4.7 | 6 / 498 | 上位1% |
| 複雑な問題解決 | 4.6 | 19 / 498 | 上位4% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.2 | 13 / 508 | 上位3% |
| 生物学 | 3.6 | 5 / 508 | 上位1% |
| 外国語の語彙・文法 | 2.5 | 26 / 508 | 上位5% |
| 化学 | 2.2 | 26 / 508 | 上位5% |
| 事務処理 | 2.2 | 155 / 508 | 上位31% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.0 | 111 / 508 | 上位22% |
| 教育訓練 | 2.0 | 70 / 508 | 上位14% |
| 公衆安全・危機管理 | 1.8 | 62 / 508 | 上位12% |
| 数学 | 1.7 | 108 / 508 | 上位21% |
| コミュニケーションとメディア | 1.5 | 203 / 508 | 上位40% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 独創性 | 3.7 | 20 / 426 | 上位5% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3.5 | 34 / 426 | 上位8% |
| 帰納的推論 | 3.5 | 21 / 426 | 上位5% |
| 記述表現 | 3.4 | 72 / 426 | 上位17% |
| トラブルの察知 | 3.4 | 155 / 426 | 上位36% |
| 演繹的推論 | 3.3 | 38 / 426 | 上位9% |
| 記述理解 | 3.3 | 89 / 426 | 上位21% |
| 発話表現 | 3.2 | 152 / 426 | 上位36% |
| カテゴライズ | 3.2 | 22 / 426 | 上位5% |
| 発話理解 | 3.1 | 138 / 426 | 上位32% |
仕事内容
- 大学医学部や研究機関などで医学分野の基礎研究を行う。(大学で教務も担当している場合は「大学・短期大学教員」へ)
- 社会的な要請や先行研究などをもとに研究テーマを立てる。
- 研究テーマに関連する最新の文献や資料を収集する。
- 研究に必要な資金やスタッフを集める。
- 解剖や細胞培養などの手作業をする。
- 顕微鏡、培養装置、分析装置を操作する。
- 実験のための材料や機材を準備する。
- 仮説を実証するために実験を行い、データをとる。
- 医療機関などからデータを収集し、解析する。
- 成果を論文や報告書にまとめる。
- 学会や講演会で成果を発表する。
- 学内外の研究プロジェクトに参加する。
- 臨床試験に参画する。
- 大学などで講義をする。
- 研究成果を実用化するため、企業と交渉する。
- 他機関の研究者と情報交換をする。
なるには
臨床研究者は診療に当たるため、全て医師国家試験の合格者であり、大学医学部の卒業者であるが、総合科学である基礎研究には異なったさまざまなテクニックを持つ専門家が参加しており、理学部、薬学部、農学部、工学部などの出身者も多い。ただし、大学の研究室で研究する場合には、大学院を修了している者がほとんどである。 公立の研究機関や民間の研究機関、医療機関などで研究をする場合には、公務員試験や採用試験を受けて研究職として採用され、担当分野について専門的に研究を行う。 優れた研究能力だけでなく研究が好きであるということが求められる。科学者として研究倫理を遵守する心構えも必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 博士課程卒 | 0.6 |
| 大卒 | 0.4 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.3 |
| 専門学校卒 | 0.0 |
| 高専卒 | 0.0 |
| わからない | 0.0 |
関連する資格
- 医師国家試験
給料
賃金構造基本統計調査では「臨床検査技師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 351.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 868.1千円 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 平均勤続年数 | 11.9年 |
| 労働者数 | 8,422人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤299.7千円
- ≤310.2千円
- ≤343.5千円
- ≤370.4千円
- ≤556.9千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は大学や研究機関などであり、その多くは都市部に所在している。 男女の比率は男性の方が多いが、女性も増えている。 医学研究者は、大学、公的研究機関では任期制で採用される場合が多い。任期を終えて次の職を得るためには、継続的に優れた研究業績を挙げ続けなければならない。 勤務時間は、週休2日、9時頃~17時頃の勤務が標準だが、研究内容によっては残業もある。裁量労働制やフレックスタイム制をとっているところが多い。 医学研究は、情報科学と並び最も注目され、研究費が集中している領域である。ゲノム創薬ばかりでなく、再生医学も医療を大きく変革しつつあり、基礎医学研究者の果たす役割はますます大きくなっている。産業界でも、製薬企業を中心に基礎医学研究者が求められている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 薬学研究者近さ 0.892
- バイオテクノロジー研究者近さ 0.882
- バイオテクノロジー技術者近さ 0.872
- 社会学研究者近さ 0.803
- 高分子化学技術者近さ 0.772
- 鉄道車両の設計・開発近さ 0.771
- 医療機器開発技術者近さ 0.753
- 情報工学研究者近さ 0.738
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)