どんな職業か
物質に含まれる成分やその量などを知るため、化学反応を用いた分析や分析機器を用いた分析を行う。 分析する対象によって、大気、排水、土壌などの環境分析、化学工業や鉄鋼・非鉄金属材料などの製造現場の工業分析、食品分析などがある。 環境計量証明事業などを行う分析会社では、依頼者から提供されるサンプルを酸で分解して溶液にし、化学反応を行なわせるなどして成分の量を求める。あるいは、サンプルを切断、切削、粉砕するなどして分析機器にかけて成分の量を求める。分析結果を整理して報告書を作成して依頼者へ報告する。生産工場などの分析部門では、製造工程で採取したサンプルを化学分析法や機器分析法で成分量を測り製造現場にフィードバックし、現場では分析結果を基に操業条件を決めるなどの必要な措置を講じる。分析技術は高度化し、自動化が進んでいる部門も多い。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 分析機器、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 4.9 | 70 / 498 | 上位14% |
| 科学的素養 | 4.6 | 9 / 498 | 上位2% |
| 文章力 | 4.5 | 102 / 498 | 上位20% |
| 説明力 | 4.5 | 137 / 498 | 上位28% |
| 傾聴力 | 4.4 | 228 / 498 | 上位46% |
| 指導 | 4.3 | 82 / 498 | 上位16% |
| 道具、機器、設備の選択 | 4.2 | 24 / 498 | 上位5% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.2 | 61 / 498 | 上位12% |
| 新しい情報の応用力 | 4.2 | 70 / 498 | 上位14% |
| クオリティチェック | 3.8 | 48 / 498 | 上位10% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 化学 | 3.8 | 4 / 508 | 上位1% |
| 工学 | 2.3 | 40 / 508 | 上位8% |
| 事務処理 | 2.1 | 182 / 508 | 上位36% |
| 数学 | 1.8 | 80 / 508 | 上位16% |
| 物理学 | 1.8 | 52 / 508 | 上位10% |
| 生物学 | 1.8 | 58 / 508 | 上位11% |
| 生産・加工 | 1.6 | 139 / 508 | 上位27% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.5 | 246 / 508 | 上位48% |
| 機械 | 1.4 | 146 / 508 | 上位29% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.3 | 377 / 508 | 上位74% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.5 | 124 / 426 | 上位29% |
| 記述表現 | 3.4 | 81 / 426 | 上位19% |
| 記述理解 | 3.2 | 104 / 426 | 上位24% |
| 帰納的推論 | 3.2 | 60 / 426 | 上位14% |
| 発話表現 | 3.2 | 158 / 426 | 上位37% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3.1 | 89 / 426 | 上位21% |
| 演繹的推論 | 3.1 | 100 / 426 | 上位23% |
| 数学的推論 | 3.1 | 24 / 426 | 上位6% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 3.0 | 71 / 426 | 上位17% |
| 独創性 | 3 | 105 / 426 | 上位25% |
仕事内容
- 物質の含量や構成などを知るため、化学反応を用いた分析や分析機器による分析を行うとともに関連技術の開発を行う。
- 各種のガラス器具や計量器具を使用方法に従って扱う。
- 電子天秤で試薬や試料を秤量する。
- 試料の前処理のため、ろ過、ふるい、選別、試薬の添加などの手作業をする。
- 試料の前処理のため、遠心分離、加熱分解、灰化などの処理をする装置を操作する。
- 分析用のサンプルを作製する。
- 分析機器の校正や使用記録の記入をする。
- 化学反応の状態を目視で観察し、成分含量を予測して、分析機器や試薬の微調整をする。
- 成分の含量を測定するため、分析機器を操作する。
- 走査電子顕微鏡(SEM)を用いた観察、分析をする。
- 出力・測定したデータを解析・考察する。
- 分析結果と物性、特性の相関を解析する。
- 分析の報告書を作成する。
- 分析機器のメンテナンスをする。
- 溶媒や試薬を調達、管理する。
- 試薬の調製をする。
- 製品中の成分を測定する方法を設定し、その分析法のバリデーションをする。
- 電子部品の実装における不具合を解析する。
- 機器の操作方法を指導する。
- 新規に導入する分析・測定機器を選定する。
- 分析方法、機器操作方法、等の標準作業手順書を作成する。
- 化学製品中に含まれる物質の成分や量を知るため、化学反応を用いた分析技術や関連分析機器を開発する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、専門学校や大学の理学系、工学系専攻の卒業者が多い。中途採用もある。 採用に際しては、化学などの基礎学力、知識、判断力などが問われる。 入職後は、最初は熟練者の補助をしながら分析技術を習得し、実践を重ねて技術力を養成する。各種原理の分析方法について学習し、実験を重ねて順次マスターするとともに、各種講習会などにも参加して技術力を高める。様々な対象物質を分析して実戦力を身に付け、依頼者の高度な分析への要求に対しても、それに適合した分析の仕方を設計できるベテラン技術者になるためには10年以上の経験が必要となる。 分析値には信頼性が要求されるため、分析化学技術者は分析試験所の認定を受けるなど、技術力の第三者による評価が必要になっている。そのためには、技術者の教育訓練も日常的に行ない、外部機関による分析技能試験に参加することなどが要求される。 関連資格として厚生労働省の定める技能検定の「化学分析技能士」がある。また、関係団体の「環境計量士」、「環境測定分析士」等の資格を持っていれば仕事の幅が広がる。 分析結果に対する責任を持ち、正確で迅速な判断力、注意力、忍耐力、几帳面さが求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.6 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.5 |
| 博士課程卒 | 0.2 |
| 高卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
関連する資格
- 第一種作業環境測定士
- 第二種作業環境測定士
- 1級化学分析技能士
- 2級化学分析技能士
- 環境計量士
- 環境測定分析士1級
- 環境測定分析士2級
- 環境測定分析士3級
給料
賃金構造基本統計調査では「化学技術者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には5の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 379.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,310.1千円 |
| 平均年齢 | 40.2歳 |
| 平均勤続年数 | 12.5年 |
| 労働者数 | 10,094人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤333.4千円
- ≤354.2千円
- ≤370.6千円
- ≤393.7千円
- ≤468.7千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
分析化学は理学・工学・農学・医学・薬学など幅広い分野に共通する基礎部門なので、いろいろな職業分野の分析技術の専門家として働くことができる。各種の企業、分析受託会社、食品などの検査機関、地方自治体など職場は広い範囲に及び都市部や工業地域に多いが、全国に広がっている。 就業者の年齢層は幅広く、女性比率が比較的高くなっている。 賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。夜間も稼動する工場などの分析部門では日勤以外に一部交代制の場合もある。中途採用を含め正社員が多いが、派遣社員として就業する場合もある。 空調が完備され、整理整頓された環境で、清浄な着衣で作業する必要があることから、作業環境は良好なところが多い。分析設備の関係で外部と閉鎖された実験室での作業もある。化学分析作業は、薬品を多く使い危険が伴うが、排気設備なども完備されている。 新素材や高機能の製品開発が盛んであり、成分や量を分析し化学的な解析を行うことが必須となっている。また、環境保全や人の健康のための規制が厳しくなってきていることもあり、分析する成分の多様化や、微量しか検出されない物質の分析など、技術の向上も図られつつ、分析需要は増加傾向にある。従って、技術者もより専門的な知識や技術力を求められるようになっている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- バイオテクノロジー技術者近さ 0.796
- 高分子化学技術者近さ 0.763
- バイオテクノロジー研究者近さ 0.725
- ファインセラミックス製造技術者近さ 0.718
- 細胞検査士近さ 0.702
- 半導体技術者近さ 0.692
- 機械設計技術者近さ 0.675
- 石油精製オペレーター近さ 0.672
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)