どんな職業か
ファインセラミックス製品の開発、製造工程や品質の管理を行う。 ファインセラミックスは、高度に精選・合成された原料粉末を用いて作られた精密なセラミックスで、粘土等の自然素材から作られる陶磁器などのオールドセラミックスとは区別される。金属、プラスチックに比べて、様々な優れた機能を有している材料として、情報通信、自動車、エネルギー、環境、バイオといった基幹産業及び先端産業を支える中核材料である。 主なファインセラミックスの製造工程は、原料調製、成形、焼成、加工である。具体的には、ミルと呼ばれる装置に原料粉末や水などを入れたのち、装置に回転や振動を加えて粒子径や粒子分布を揃える。そこにバインダー(粘結剤)などを添加、混合し、調整したものがスラリーと呼ばれる。スラリーは熱風を発生させる装置(スプレードライヤー)で乾燥され、顆粒状に造粒されたのち、ゴムなどでできた型に詰められ成形される。ファインセラミックスは焼成後非常に固くなるため、焼成前に最終形状に近い形に加工を施す必要がある。その際には、焼成後の変形(収縮)等を考慮して加工をする必要がある。その後、ガス炉や電気炉などで焼成を行い、最終的な加工や点検を行う。 技術者の具体的な業務としては、耐熱性・耐久性・絶縁性などに優れた性質を備えた製品を開発するため、原料の調合や焼成の条件検討のための実験や試作をする。新規原料を使用した製品の研究・開発や、切削・研磨などの加工方法の改良や新しい成形方法を開発する場合もある。 また、ファインセラミックスの特性を評価したり、ファインセラミックス製の部材やデバイスなどの製品の性能を評価する。ファインセラミックス素材の新製品の開発や新しい用途への応用を行う。 製造工程の管理や作業の技術的な指導・監督、製造現場でのコスト低減、省エネ、環境対策の指導をする技術者もいる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 ミル、スプレードライヤー、ガス炉、電気炉、CADシステム、表計算ソフト(Excel、Googleスプレッドシート等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 4.9 | 59 / 498 | 上位12% |
| 傾聴力 | 4.7 | 158 / 498 | 上位32% |
| 文章力 | 4.5 | 96 / 498 | 上位19% |
| 説明力 | 4.5 | 123 / 498 | 上位25% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.5 | 40 / 498 | 上位8% |
| 新しい情報の応用力 | 4.4 | 42 / 498 | 上位8% |
| 継続的観察と評価 | 4.4 | 35 / 498 | 上位7% |
| 指導 | 4.4 | 72 / 498 | 上位14% |
| 科学的素養 | 4.3 | 14 / 498 | 上位3% |
| 道具、機器、設備の選択 | 4.3 | 15 / 498 | 上位3% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 化学 | 2.9 | 10 / 508 | 上位2% |
| 工学 | 2.8 | 22 / 508 | 上位4% |
| 生産・加工 | 2.5 | 52 / 508 | 上位10% |
| 設計 | 2.3 | 39 / 508 | 上位8% |
| 機械 | 2.3 | 43 / 508 | 上位8% |
| 物理学 | 2.3 | 28 / 508 | 上位6% |
| 事務処理 | 2.2 | 154 / 508 | 上位30% |
| 数学 | 2.2 | 35 / 508 | 上位7% |
| コンピュータと電子工学 | 2.0 | 57 / 508 | 上位11% |
| 外国語の語彙・文法 | 1.8 | 72 / 508 | 上位14% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.2 | 260 / 426 | 上位61% |
| 独創性 | 3.2 | 61 / 426 | 上位14% |
| 演繹的推論 | 3.0 | 133 / 426 | 上位31% |
| 帰納的推論 | 3.0 | 126 / 426 | 上位30% |
| 数学的推論 | 2.9 | 49 / 426 | 上位12% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 2.9 | 156 / 426 | 上位37% |
| 記述表現 | 2.9 | 227 / 426 | 上位53% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 2.9 | 116 / 426 | 上位27% |
| カテゴライズ | 2.9 | 97 / 426 | 上位23% |
| 発話表現 | 2.8 | 265 / 426 | 上位62% |
仕事内容
- ファインセラミックスの高性能な部材の製造やデバイスを製造するための研究・開発を行い、製造現場での作業の指導・監督をする。
- 耐熱性・耐久性・絶縁性などに優れた性質を備えた製品を開発する。
- ファインセラミックス素材の新製品の開発や新しい用途への応用を行う。
- 新規原料を使用した製品の研究・開発をする。
- 切削・研磨などの加工方法の改良や新しい成形方法の開発をする。
- 原料の調合や焼成の条件検討のための実験や試作をする。
- 導電性、熱伝導率、硬度など、ファインセラミックスの特性を評価する。
- ファインセラミックス製の部材やデバイスなどの製品の性能を評価する。
- 生産設備を検討する。
- 生産計画の作成を支援する。
- 原材料や製造設備の相見積りを依頼する。
- 原材料の選択や製造工程に関する指針を作成する。
- 製造工程の管理や作業の技術的な指導・監督をする。
- 製造現場でのコスト低減、省エネ、環境対策の指導をする。
- 製造技術を守るために知財管理をする。
なるには
入職にあたって、特に資格は必要とされない。材料開発、製品設計、工程管理までを含む総合的な技術者は、大学、大学院で化学(応用化学を含む)、無機材料、物理(物理工学、応用物理含む)、機械工学、電気・電子工学系の理工学科などを専攻した者が多い。製造工程の技術者には、高校、高専等卒の者もいる。 入職後は、OJTによって指導、育成される。開発・設計部門では、専門をより一層深く極めるために、開発テーマは変わっても部門は変わらない場合が多い。製造現場に配属されると、各工程をローテーションして経験しながら適性を見極め、担当業務が決められる場合が多く、その後、班長、係長、課長等管理職へと昇進していく。 高性能なファインセラミックス部材、デバイスを製造するためには、化学、物理、機械工学、電気・電子工学などに関する専門技術の知識を基にした、材料開発、部品設計及び原料調製、成形、焼成、加工、特性評価などの多工程からなる部品製造技術の知識が不可欠である。 また、開発・設計部門では、海外での業務も増加し、英会話、英文資料読解力及び特許の知識が要求される。また、製造部門でも、海外との技術提携、技術指導などの機会が多く、マネージャーに昇進するにつれて、英語力が必要になってくる。設計部門では、CADシステムが用いられるため、そのスキルも必要となる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.5 |
| 高卒 | 0.4 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.2 |
| 博士課程卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「臨床検査技師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 351.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 868.1千円 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 平均勤続年数 | 11.9年 |
| 労働者数 | 8,422人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤299.7千円
- ≤310.2千円
- ≤343.5千円
- ≤370.4千円
- ≤556.9千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は、大半がセラミックスメーカーであるが、その他にも電気、情報通信、機械、重工、自動車メーカーなどにも素材としてのファインセラミックスを開発、評価する部門があり、職場は全国に広がっている。特にセラミックスメーカーは陶磁器産業の盛んな東海地区、九州地区、関西地区などに多い(*1)。 就業者は、男性が多いが、女性も増えている。ほとんどは正社員である。 賃金、労働時間等労働条件は、勤務先の規定による。開発・設計技術者は、空調設備の整った室内で作業をする。生産技術者は工場勤務がほとんどで連続操業のため、交替制勤務の場合もある。 これまでの日本のファインセラミックス産業はエレクトロニクス、自動車分野に広がっていたが、医療分野や環境分野での多様な開発が進められている。 *1 岐阜県産業振興センター「陶磁器産業平成30年度」から
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 高分子化学技術者近さ 0.868
- 電子機器技術者近さ 0.825
- 自動車技術者近さ 0.816
- 機械設計技術者近さ 0.806
- プラント設計技術者近さ 0.803
- 半導体技術者近さ 0.794
- 原子力技術者近さ 0.786
- 土木・建築工学研究者近さ 0.779
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)