どんな職業か
非鉄金属の製錬技術の開発・改良及び現場作業員を監督する立場で生産工程の管理を行う。非鉄金属は鋼以外の金属を指し、銅、亜鉛、鉛などのベースメタルやアルミなどの軽金属、最近注目されているレアメタルやレアアース、金や銀などの貴金属がある。 非鉄金属の生産工程は、銅を例にとると、原料である銅精鉱を自溶炉で製錬して、銅品位65%のマットと酸化鉄などを含むスラグに分離する。マットは転炉で酸化させることにより銅品位99%の粗銅(そどう)となり、粗銅は精製炉でブタンガスを還元剤として吹き込むことにより酸素が除去されて銅品位が99.5%の精製粗銅となる。これを鋳造機でアノード(陽極版)に鋳造する。ここまでの工程にかかる時間はほぼ1日である。電解プラントでは、このアノードと、銅品位99.99%以上の純銅をカソード(陰極版)として電気分解槽に交互に組み入れて、10日から2週間かけて、直流電流を流してアノードの銅分のみをカソードに電着させる。こうして、純度99.99%以上の銅が付着したカソードが最終製品である銅地金となる。 製錬技術者は、製錬技術の開発・改良、生産工程の管理や品質管理を通じた生産性の向上、設備の見直しや投資計画の立案、生産現場の監督・管理や指導、人材育成などを担当する。 製錬技術者のなかでも、研究開発を担当する場合は、非鉄金属製錬・精製及び環境・リサイクルにおけるプロセスの改良や新規プロセス開発の研究を行う。SDGsの観点から、環境・社会課題の解決が謳われている現在、新たなリサイクルプロセスの研究は重要な課題となっている。 また、より製造現場に近い生産技術を担当する場合は、製造現場の安全管理を第一とし、非鉄金属製錬・精製及びこれら関連材料の製造に関する技術開発・生産管理に加え、品質管理も重要な業務になる。具体的には、職級や経験に応じて業務内容は異なるが、生産計画の立案から、生産現場の指揮、問題への対処など工程管理を行う。最終製品の品質チェック、さらに製造工程で発生したり、発見された問題を研究チームにフィードバックすることも重要な業務である。こうした日々の業務のほかに、工場の管理、事業の運営・管理、計画の立案などのマネジメント業務や人材の育成・教育などの業務も行う場合もある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 指導 | 3.6 | 241 / 498 | 上位48% |
| 傾聴力 | 3.5 | 387 / 498 | 上位78% |
| 読解力 | 3.5 | 303 / 498 | 上位61% |
| 道具、機器、設備の選択 | 3.5 | 113 / 498 | 上位23% |
| 説明力 | 3.4 | 342 / 498 | 上位69% |
| 文章力 | 3.3 | 310 / 498 | 上位62% |
| 説得 | 3.2 | 260 / 498 | 上位52% |
| 操作と制御 | 3.2 | 64 / 498 | 上位13% |
| 時間管理 | 3.1 | 228 / 498 | 上位46% |
| 設置と設定 | 3.1 | 112 / 498 | 上位22% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.5 | 62 / 508 | 上位12% |
| 機械 | 1.9 | 90 / 508 | 上位18% |
| 工学 | 1.6 | 85 / 508 | 上位17% |
| 数学 | 1.5 | 126 / 508 | 上位25% |
| 化学 | 1.4 | 91 / 508 | 上位18% |
| 物理学 | 1.3 | 103 / 508 | 上位20% |
| 事務処理 | 1.1 | 413 / 508 | 上位81% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.1 | 427 / 508 | 上位84% |
| コンピュータと電子工学 | 1.1 | 174 / 508 | 上位34% |
| 設計 | 1.1 | 148 / 508 | 上位29% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.1 | 315 / 426 | 上位74% |
| 記憶力 | 2.8 | 213 / 426 | 上位50% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 2.7 | 225 / 426 | 上位53% |
| モノの見え方に関する想像力 | 2.6 | 170 / 426 | 上位40% |
| 手腕の器用さ | 2.6 | 145 / 426 | 上位34% |
| 指先の器用さ | 2.6 | 131 / 426 | 上位31% |
| 持久力(スタミナ) | 2.6 | 177 / 426 | 上位42% |
| 記述理解 | 2.6 | 289 / 426 | 上位68% |
| 発話理解 | 2.6 | 321 / 426 | 上位75% |
| 演繹的推論 | 2.6 | 296 / 426 | 上位69% |
仕事内容
- 非鉄金属の精錬技術の開発・改良及び現場作業員を監督する立場で生産工程の管理を行う。
- 精錬技術の開発・改良をする。
- 各種データの取得と分析・解析をする。
- 実証データに基づく報告書を作成する。
- 精錬技術に関する特許や文献を調査する。
- 品質の管理をする。
- 生産工程の管理をする。
- 設備の見直しをする。
- 生産現場の監督・管理・指導をする。
- 人材の教育・育成のサポートをする。
- 設備や人員などの投資計画のための資料やデータを作成する。
- 損益計算書など各種書類を作成する。
- 商品等の在庫を管理する(棚卸し)。
- 機械の点検・メンテナンスをする。
なるには
入職にあたって、資格は特に必要とされないが、学歴は大学、大学院卒が多く、金属工学、材料工学、化学、化学工学に関連する分野を専攻している者が多い。高卒者もいる。中途採用もあるが、専門性の高い業務だけに工場や製造現場の操業管理や技術開発関係の経験者が多い。中途採用の場合はその専門性を活かし研究開発や分析、製造・生産技術などの部署に配属されるのが一般的である。 入職から2~3年は、OJTとOFF-JTで専門技術とビジネススキルを身に付ける。OJT では担当業務を持ち、先輩社員から指導を受けながら、企業でのものづくりを学ぶ。OFF-JTでは育成カリキュラムに従ってプレゼンテーション技術や論理的思考法といった各種ビジネススキル・知識を習得、実務レベルで課題解決を行い、一定の研修を受ける。その後、現場の作業長から係長を経て部長・工場長などマネジメントへのコースをたどる場合が多い。各種階層別の研修もありチームマネジメントのスキル、コンプライアンス、経営スキルなどを学ぶ場合もある。 工場管理者など特定の業務に就く場合には「公害防止管理者」や「エネルギー管理士」などの免許・資格が求められる。 専門知識に加え、品質管理・安全衛生・環境への配慮や工程管理、現場管理・監督などに関する高い知識と専門性が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.6 |
| 大卒 | 0.4 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.2 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.0 |
関連する資格
- 公害防止管理者
- エネルギー管理士
給料
賃金構造基本統計調査では「製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 358.5千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,219.4千円 |
| 平均年齢 | 42歳 |
| 平均勤続年数 | 15.4年 |
| 労働者数 | 13,983人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤306.8千円
- ≤333.4千円
- ≤354.1千円
- ≤368.8千円
- ≤401.2千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務地は原則として製錬工場になるが、立地は各企業により異なる 賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定によるが、フレックスタイム制を採用しているところもある。 女性比率は低いが、最近では労働環境を整備するなど、女性を採用する企業が増えつつある。 各企業、職場、担当業務により異なるが、国内転勤は数年に一度程度、海外転勤は少ない。国内外の出張もある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 鉄鋼製造オペレーター近さ 0.886
- ガラス食器製造近さ 0.798
- 生産用機械組立近さ 0.797
- NC工作機械オペレーター近さ 0.775
- めっき工近さ 0.773
- 化学製品製造オペレーター近さ 0.753
- 鋳造工/鋳造設備オペレーター近さ 0.733
- 金属プレス工近さ 0.708
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)