どんな職業か
金属を溶かして鋳型に注ぎ込み、冷えて固まった後で鋳型から取り出し、目的に応じた鋳物製品に仕上げる。 鋳物は、仏像や梵鐘などをはじめ、鍋や釜など日常生活用具をつくる技法として発達してきた。現代の鋳物製品は、これらの日用品だけでなく、各種の工作機械をはじめ、発動機、車両、船舶、航空機、電気機器、農機具などの部品として、さまざまな分野で幅広く使用されている。鋳物には鉄鋳物や銅合金鋳物、アルミニウム合金鋳物など各種の材質のものがある。 鋳物製造の代表的な製造方法としては、砂型鋳造と、金型を使うダイカスト鋳造がある。ここでは砂型鋳造について記載する。まず、砂に樹脂や硬化剤を混ぜて鋳物砂を作る(混砂)。次に、鋳物の中空部を作るために、鋳型にはめこむ砂型(中子・なかご)を作り、鋳型枠に製品の模型である木型や金属型を置き、まわりに鋳物砂を詰めて主型(おもがた)を作り、中子をはめこんで上型と下型を合わせると、鋳型が完成する(造型)。 次に、銑鉄など鋳物の原料を配合し、溶解炉で熱して溶かす(溶解)。予定の成分調節を行い、適当な温度に溶かした金属を鋳型の中に注湯口から流し込む(注湯)。冷めたら鋳型をばらして、鋳物を取り出し、砂などを落として仕上げる(仕上)。 また、生産の自動化が進んでいる職場では、ダイカスト製品を製造するための生産設備を運転・操作して鋳型に溶融金属を注入する工程などを鋳造設備オペレーターとして監視・調整する。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 鋳型、金型、砂型(中子・なかご)、鋳型枠、木型、金属型、主型、中子、上型、下型、造型、溶解炉、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 指導 | 2.9 | 385 / 498 | 上位77% |
| 読解力 | 2.9 | 418 / 498 | 上位84% |
| 修理 | 2.8 | 116 / 498 | 上位23% |
| 傾聴力 | 2.7 | 465 / 498 | 上位93% |
| 説明力 | 2.5 | 456 / 498 | 上位92% |
| 道具、機器、設備の選択 | 2.4 | 311 / 498 | 上位62% |
| クオリティチェック | 2.4 | 229 / 498 | 上位46% |
| 操作と制御 | 2.4 | 167 / 498 | 上位34% |
| 文章力 | 2.4 | 436 / 498 | 上位88% |
| 保守点検 | 2.4 | 156 / 498 | 上位31% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.8 | 23 / 508 | 上位5% |
| 機械 | 2.0 | 72 / 508 | 上位14% |
| 工学 | 1.1 | 168 / 508 | 上位33% |
| 設計 | 0.9 | 177 / 508 | 上位35% |
| 教育訓練 | 0.8 | 379 / 508 | 上位75% |
| 数学 | 0.8 | 312 / 508 | 上位61% |
| 化学 | 0.7 | 229 / 508 | 上位45% |
| 物理学 | 0.7 | 242 / 508 | 上位48% |
| 輸送 | 0.6 | 314 / 508 | 上位62% |
| コンピュータと電子工学 | 0.6 | 326 / 508 | 上位64% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.4 | 185 / 426 | 上位43% |
| モノの見え方に関する想像力 | 2.9 | 63 / 426 | 上位15% |
| 持久力(スタミナ) | 2.9 | 79 / 426 | 上位19% |
| 筋力 | 2.9 | 81 / 426 | 上位19% |
| 手腕の器用さ | 2.8 | 96 / 426 | 上位23% |
| 選択的注意(集中する力) | 2.8 | 201 / 426 | 上位47% |
| 指先の器用さ | 2.7 | 111 / 426 | 上位26% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 2.7 | 145 / 426 | 上位34% |
| 演繹的推論 | 2.6 | 274 / 426 | 上位64% |
| 知覚速度 | 2.6 | 149 / 426 | 上位35% |
仕事内容
- 金属を溶かして鋳型に注ぎ込み、冷えて固まった後で鋳型から取り出し、目的に応じた鋳物製品に仕上げる。
- 鋳型の材料となる砂などに樹脂や硬化剤を混ぜ調合する。
- 鋳物の中空部を作るために、鋳型にはめこむ砂型(中子)を作る。
- 鋳型枠に製品の模型である木型や金属型を置き、まわりに鋳物砂を詰めて主型を作る。
- 主型に中子をはめこんで上型と下型を合わせて鋳型を完成させる。
- 銑鉄などの金属材料を調合し、加熱して溶解させる。
- 鋳型の注湯口から溶解した材料を流し込む(注湯)。
- 冷めたら鋳型をばらし、中の鋳物を取り出す。
- 湯口切断機を操作し、鋳造物の湯口を切断する。
- 鋳物についた砂を落とすショットブラスト機を操作する。
- グラインダー、チッパー、たがねなどを用いて鋳物についている鋳バリを削り取る。
- 鋳物の表面を加工する。
- 鋳物製品の検査を行う。
- 鋳造方案を設計する。
- ダイカストマシーンを操作して製品を大量生産する。
- 鋳鉄の強さを改善するため、焼き入れ、焼き戻しをする。
- 鋳造のための金型を作る。
- 金型の修理を行う。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校等を卒業してすぐにこの職業に就くのが一般的である。また、他の職業からの中途採用もある。新規学卒者は、学校、ハローワークの紹介、中途採用は、ハローワーク、求人広告等で行われることが多い。 入職すると、砂型鋳造の場合は、まず砂処理の補助作業や造型作業の補助作業につき、徐々に仕事を覚えていく。各地の鋳物組合が講習会などを行っている。鋳造設備オペレーターの場合も実務を通して作業を習得していく。 関連資格として、厚生労働省の定める技能検定の「鋳造技能士」と「金属溶解技能士」があり、資格を取得すると技術の証明として評価される。 鋳型に溶かした金属を流し込んで成型するという鋳物の技法や技術に対して興味、関心を持っていることが重要である。火や高温の金属を扱う職場であるため、やけどやけがをしないように安全への気配り、注意深さ、集中力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.8 |
| 大卒 | 0.2 |
| わからない | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.0 |
関連する資格
- 1級金属溶解技能士
- 2級金属溶解技能士
- 特級鋳造技能士
- 1級鋳造技能士
- 2級鋳造技能士
給料
賃金構造基本統計調査では「鋳物製造・鍛造従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 358.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 857.3千円 |
| 平均年齢 | 42.8歳 |
| 平均勤続年数 | 15.4年 |
| 労働者数 | 8,236人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤282.8千円
- ≤309.8千円
- ≤336.3千円
- ≤354.4千円
- ≤464.3千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
職場は、自動車、電気機械器具、工作機械などの重要部品を製造している大企業もあるが、中小企業の鋳物工場で働く場合も多い。就業者は男性が多い。 鋳物は工作機械、自動車、造船、農業機械など広範囲な分野の素形材として使用されるために、工場は全国にある。また、伝統的地場産業として存続している地域もある。 勤務形態は、朝から夕方までの通常の勤務形態のほか、2交替又は3交替による交替制勤務がある。 賃金は日給又は月給制が一般的で、溶解などの高熱作業に従事する場合に特別手当を支給する企業もある。 ばいじん、粉じん、騒音、振動、高温などの作業環境は改善されてきている。 鋳造技術は、今後、高機能、高品質製品を作る溶解技術や、造型技術の向上、不良品を出さないようにする生産管理技術、省エネ、CO2低減等が課題となっている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 鉄鋼製造オペレーター近さ 0.873
- 金属プレス工近さ 0.846
- めっき工近さ 0.841
- 溶接工近さ 0.827
- 鍛造工/鍛造設備オペレーター近さ 0.801
- 紙器製造近さ 0.786
- 鉄道車両清掃近さ 0.784
- 紡績機械オペレーター近さ 0.783
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)