どんな職業か
熱を利用して金属材料を接合する溶接を行う。 溶接は、その接合の仕方により「融接」、「圧接」及び「ろう接」に分類される。 ここでは最も広く利用されている融接について記載する。被溶接材(母材)の接合しようとする部分をガス炎、アーク、電子ビーム、レーザーなどの熱を用いて加熱し、母材と溶加材(溶接棒、ワイヤなど)を融合させてできた溶融金属を凝固させて接合する方法である。この接合方法では、アーク熱を利用して行うアーク溶接が最も一般的で、超高層ビル、工場や住宅などの建築物、橋、タンクや容器、ガスや石油などのパイプライン、船、発電設備などを作るときの金属材料の接合に利用されている。 溶接方法としては手溶接、半自動溶接、自動溶接がある。 手溶接の場合は、溶接棒を溶接棒ホルダにはさみ、適正な溶接電流、電圧などを調整して、これを接合する金属材料に接触させるとアークが発生し、溶接棒と金属材料が溶融するので、溶接棒を手で動かす(運棒)ことで溶接を行う。 半自動溶接の場合は、溶接棒の代わりに自動的に送給されるコイル状のワイヤを溶接トーチにつないで溶接を行う。 自動溶接の設備を用いる場合には、設備を運転、操作して電熱・電撃・ガスの炎などを利用した金属の接合、切断の工程の監視、調整を行う。 溶接によって製作した製品は、検査を行って溶接部の内部に欠陥がないか調べ、溶接部の性能を確認して品質の確保を行う。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 溶接棒、溶接棒ホルダ、溶接トーチ、自動電撃防止装置、工具(手動工具、電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 2.9 | 451 / 498 | 上位91% |
| 修理 | 2.7 | 124 / 498 | 上位25% |
| 道具、機器、設備の選択 | 2.7 | 262 / 498 | 上位53% |
| 読解力 | 2.6 | 442 / 498 | 上位89% |
| 保守点検 | 2.5 | 132 / 498 | 上位27% |
| 故障等の原因特定 | 2.4 | 169 / 498 | 上位34% |
| 指導 | 2.4 | 460 / 498 | 上位92% |
| 説明力 | 2.3 | 474 / 498 | 上位95% |
| 操作と制御 | 2.3 | 177 / 498 | 上位36% |
| クオリティチェック | 2.3 | 241 / 498 | 上位48% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.4 | 67 / 508 | 上位13% |
| 機械 | 2.3 | 49 / 508 | 上位10% |
| 設計 | 1.7 | 80 / 508 | 上位16% |
| 工学 | 1.7 | 80 / 508 | 上位16% |
| 数学 | 1.4 | 143 / 508 | 上位28% |
| 物理学 | 1.2 | 139 / 508 | 上位27% |
| 教育訓練 | 1.2 | 234 / 508 | 上位46% |
| ビジネスと経営 | 1.0 | 346 / 508 | 上位68% |
| 事務処理 | 1.0 | 429 / 508 | 上位84% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.0 | 446 / 508 | 上位88% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 手腕の器用さ | 3.2 | 30 / 426 | 上位7% |
| 指先の器用さ | 3.2 | 32 / 426 | 上位8% |
| 腕と手の安定 | 3.1 | 29 / 426 | 上位7% |
| トラブルの察知 | 3.1 | 332 / 426 | 上位78% |
| 近接視力 | 2.9 | 44 / 426 | 上位10% |
| 筋力 | 2.8 | 93 / 426 | 上位22% |
| 手首と指の動作速度 | 2.8 | 60 / 426 | 上位14% |
| 腕や脚の動作速度 | 2.8 | 52 / 426 | 上位12% |
| 記憶力 | 2.8 | 234 / 426 | 上位55% |
| 平衡感覚 | 2.7 | 68 / 426 | 上位16% |
仕事内容
- 熱を利用して金属材料を接合する溶接を行う。
- 溶接棒を溶接トーチにつなぎ、溶接電流、電圧を調節する。
- 溶接棒を溶接トーチにつなぎ、接合させる金属材料に接触させる。
- 溶接棒と金属材料を溶融させた状態で、接合ラインに沿って溶接トーチを手で動かす(運棒)。
- 溶接棒が溶融したら新しいものに取換える。
- 溶接棒の代わりにコイル状に巻いたワイヤを溶接トーチにつないで溶接を行う。
- 溶接部に欠陥がないかを、溶接部を引っ張ったり曲げたりする破壊検査を行って調べる。
- 溶接部の内部に欠陥がないかを、放射線や超音波を使った非破壊検査で調べる。
- 自動溶接機や溶接ロボットの設定・材料供給・監視などを行う。
- ステンレス、鉄、アルミ、真鍮を加工するためガス溶接を行う。
- トーチのノズルを掃除する。
- 周囲に注意しながら、クレーンを操作する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。工業系の高校等を卒業後入職することが多い。公共職業訓練校等で技能を身につけてから入職する場合もある。他の職業からの中途採用もある。新規学卒者は、学校、ハローワークの紹介がほとんどである。中途採用は、ハローワーク、新聞、求人広告等で行われている。 アーク溶接やガス溶接を行う場合には、法律に定められた講習等を修了することが必要である(「アーク溶接作業者」、「ガス溶接作業者」)。また、実務経験3年以上で受けられる「ガス溶接作業主任者」がある。 関係団体が認定する「溶接作業技能者」、「溶接作業指導者」の資格もある。工場認定あるいは官公庁における工事発注の際の、設計や品質管理の責任者となるには「溶接管理技術者」が必要である。 一般に重量物を製作し、かがみ作業、立ち作業などもあり体力が必要である。また、常に安定した気持ちで仕事を続けられる忍耐力も重要である。特に運棒のために腕の器用さや視力がよいことも求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.7 |
| 大卒 | 0.2 |
| わからない | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.1 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.0 |
関連する資格
- ガス溶接作業主任者
- 溶接管理技術者1級
- 溶接管理技術者2級
- 溶接作業指導者
- 溶接技能者
- アーク溶接技能者(専門級)
- アーク溶接技能者(基本級)
給料
賃金構造基本統計調査では「大工」として集計されています(2023年・全国)。この区分には14の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 336.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 529.1千円 |
| 平均年齢 | 42.2歳 |
| 平均勤続年数 | 13.1年 |
| 労働者数 | 1,668人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤237.8千円
- ≤282.9千円
- ≤336.2千円
- ≤357千円
- ≤844.1千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は、造船、自動車、車両、重電機メーカーなどの製造業、ビルディングや橋のような鉄骨構造物を建設する建設業などである。就業場所は全国に広がっている。就業先の企業形態も、大企業から中小企業まで様々である。 賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。 就業者の年齢層は幅広い。男性の割合が高いが、近年女性も増えてきている。 溶接では、電気やガスを使用するためその取扱い、特に感電や排気などに注意する必要がある。最近では、自動電撃防止装置の開発・普及により、感電事故がなくなるなど、作業環境の改善が進んでいる。工場内の作業の他に、建築現場、土木工事現場では、足場の上など狭い所や高所での溶接作業もある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 木材製造近さ 0.835
- 鋳造工/鋳造設備オペレーター近さ 0.827
- 建設・土木作業員近さ 0.821
- 工場労務作業員近さ 0.821
- 汎用金属工作機械工(旋盤工、ボール盤工等)近さ 0.817
- 石工近さ 0.813
- フォークリフト運転作業員近さ 0.798
- 鉄道車両清掃近さ 0.797
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)