どんな職業か
産業活動の過程で生じる産業廃棄物について、適正・安全な処理やリサイクルを行う方法の開発、処理計画の立案、工程の管理等を行う。 産業廃棄物は、工業、建設業、製造業、サービス業など全ての事業活動に伴って生じるものであり、具体的には、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、鉱さい、動植物性残さ、動物のふん尿、ばいじん(ダスト)類、がれき類等で、固形状のものと液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)がある。このうち「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理廃棄物及び特別管理産業廃棄物として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物より厳しい規制を行っている(*1) なお、産業廃棄物以外の廃棄物は一般廃棄物と呼ばれる。 産業廃棄物は、材料として再利用できるものと、廃棄物として処理するしかないものに分けられるが、廃棄物は一般の製品と違って取り扱い上の注意事項がはっきり示されていない。このため、性質などをよく把握しないで処理すると、爆発や激しい化学反応などを起こして事故にもつながる。また、別の製品の材料として利用できるものがあっても、十分な知識がなければ、リサイクルを進めることはできない。 そのために、産業廃棄物処理技術者は産業廃棄物を分析して特性や組成を把握し、どのような工程や方法で扱えば適正で安全に、費用も安く処理できるか、更にどのように変化させれば材料として再利用できるか等を決定する。このように、技術的知識と関係法令をもとに、適正・安全・経済的に処理できる方法や工程、更にどのように変化させれば材料として再利用できるか等について調査・分析し、処理方式の開発、処理計画の立案や、実施指導等を行う。また、法令に基づいて廃棄物処理施設の適正な維持管理に関する技術指導を行う。 *1 環境省ホームページ 特別管理廃棄物規制の概要 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 分析機器、パソコン、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 3.8 | 341 / 498 | 上位68% |
| 指導 | 3.7 | 203 / 498 | 上位41% |
| 保守点検 | 3.6 | 22 / 498 | 上位4% |
| 操作と制御 | 3.5 | 34 / 498 | 上位7% |
| 説明力 | 3.5 | 322 / 498 | 上位65% |
| 修理 | 3.5 | 31 / 498 | 上位6% |
| 計器監視 | 3.5 | 24 / 498 | 上位5% |
| 故障等の原因特定 | 3.4 | 56 / 498 | 上位11% |
| 道具、機器、設備の選択 | 3.3 | 141 / 498 | 上位28% |
| 読解力 | 3.2 | 345 / 498 | 上位69% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 機械 | 1.5 | 138 / 508 | 上位27% |
| 化学 | 1.5 | 81 / 508 | 上位16% |
| 公衆安全・危機管理 | 1.5 | 134 / 508 | 上位26% |
| 事務処理 | 1.4 | 378 / 508 | 上位74% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.2 | 413 / 508 | 上位81% |
| 教育訓練 | 1.1 | 259 / 508 | 上位51% |
| 人事労務管理 | 1.0 | 281 / 508 | 上位55% |
| 工学 | 1 | 179 / 508 | 上位35% |
| 数学 | 1.0 | 248 / 508 | 上位49% |
| 物理学 | 1.0 | 179 / 508 | 上位35% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.3 | 218 / 426 | 上位51% |
| 持久力(スタミナ) | 2.6 | 169 / 426 | 上位40% |
| 演繹的推論 | 2.6 | 295 / 426 | 上位69% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 2.6 | 181 / 426 | 上位42% |
| 筋力 | 2.6 | 143 / 426 | 上位34% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 2.5 | 280 / 426 | 上位66% |
| 帰納的推論 | 2.4 | 317 / 426 | 上位74% |
| 記述表現 | 2.4 | 355 / 426 | 上位83% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 2.4 | 325 / 426 | 上位76% |
| 記憶力 | 2.4 | 393 / 426 | 上位92% |
仕事内容
- 産業廃棄物の再利用や安全で効率的な処理についての技術開発や実施指導等をする。
- 産業廃棄物の運搬や分別をする。
- 性質や原料の組み合わせのはっきりしない産業廃棄物を分析し、特性や組成を把握する。
- 産業廃棄物の特性や組成から、取り扱い方法や処理方法を決定する。
- 産業廃棄物の特性や組成から、材料として再利用する方法を検討する。
- 排水が基準を満たしているかを調べる。
- 廃石綿を処理する。
- し尿処理施設を運転管理する。
- 排ガスを監視する。
- 処理施設の維持管理に関する技術指導をする。
- 処理施設の操業管理をする。
- 機器の点検やメンテナンスを行う。
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の処理をする。
- 産業廃棄物の処理について、周辺住民に説明する。
- 産業廃棄物の新しい処理方法を開発し、実用化に向けての試験をする。
なるには
産業廃棄物を分析するためには、分析方法や分析機器に対する知識が必要であるため、高卒者もいるが、大学、大学院などで化学系の課程を修了した人も多い。また、広い知識と経験が必要とされていることから、中途採用者も多い。 入職すると、まず廃棄物処理法をはじめとする法律、廃棄物を処理するシステムなどについての教育を受ける。より専門的な内容は、仕事をしながら習得していく。 関連する施設の運転に必要となる「一般廃棄物処理施設技術管理士」「特別管理産業廃棄物管理責任者」(日本環境衛生センター)や、「環境計量士」(日本環境測定分析協会)、「公害防止管理者」(産業環境管理協会)など環境測定、公害防止の資格を持っている人が多い。 専門的知識やデータ処理等の技術に加えて、環境や資源を大切にしたいという気持ちがある人に向いている仕事である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.5 |
| 大卒 | 0.4 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| わからない | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.1 |
関連する資格
- 環境計量士
- 公害防止管理者
- 一般廃棄物処理施設技術管理士
- 特別管理産業廃棄物管理責任者
給料
賃金構造基本統計調査では「清掃員(ビル・建物を除く),廃棄物処理従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 280.3千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 500.8千円 |
| 平均年齢 | 48.5歳 |
| 平均勤続年数 | 10.6年 |
| 労働者数 | 14,980人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤239.6千円
- ≤255.4千円
- ≤266.6千円
- ≤299.4千円
- ≤348.5千円
清掃員(ビル・建物を除く),廃棄物処理従事者の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
職場は産業廃棄物が排出される地域の周辺が多く、全国にわたっており、主に特別管理産業廃棄物などを分析できる設備を整えた処理会社で働いている。 廃棄物処理施設は悪臭、騒音、振動などがあるが、分析は清潔な部屋で行う必要もあるために、環境面は整っているといえる。 賃金、労働時間等の労働条件は事業所の規定によるが、専門知識や技術が必要で、有害物質等を扱うこともあるため、待遇面ではこれらの点が配慮されていることもある。 環境問題に対する社会の関心が深まり、リサイクルを義務づける法律や条例等による取組みが強化される中、廃棄物処理やリサイクルの専門家として、産業廃棄物処理技術者の仕事はますます重要度を増している。産業廃棄物の収集運搬・処理の低炭素化、新素材等の処理に関する技術の確立等が課題である。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- ボイラーオペレーター近さ 0.801
- 化学製品製造オペレーター近さ 0.777
- ビル施設管理近さ 0.740
- 非鉄金属製錬技術者近さ 0.690
- 鉄鋼製造オペレーター近さ 0.672
- 産業廃棄物収集運搬作業員近さ 0.657
- NC工作機械オペレーター近さ 0.652
- 豆腐製造、豆腐職人近さ 0.638
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)