どんな職業か
産業用ロボットを設置し、稼働させるための機械の据え付け調整、初期設定、及びシステムの構築等を行う。 ロボットには、生産工程等で使用される産業用ロボット、危険な環境の中で作業を代行するロボット、家事や介護等を支援する日常生活支援ロボットなどがある。ここでは主に産業用ロボットについて述べる。なお、産業用ロボットとは、自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業をプログラムにより実行でき,産業に使用される機械のことを言う。産業用ロボットは、FA(factory automation)などの自動化システムに組み込まれて初めてその機能を発揮する。 産業用ロボットの設置・設定の仕事は、その自動化システムの構築やそれに必要な部品の製作、ロボットティーチング、システムの組立・据え付けなどが主なものとなる。 このような業務を手掛ける企業をロボットシステムインテグレーター(ロボットSIer:エスアイアー)と呼ぶこともある。なお、同企業では、設置・設定だけでなく、ロボットを使用した導入提案や組み立て等も行う。 ロボットSIerは全国に約1,000社あり、従業員が10人から200人位までの中小規模の企業が圧倒的に多い(2018年5月時点*1)。なお、広義のロボットSIerは、専業の企業だけでなく、複数の企業が協業体制を組んだり、ユーザー企業やロボットメーカーの1部門がシステムインテグレーションを行う場合も含まれる。 *1 経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室、一般社団法人 日本ロボット工業会 ロボットシステムインテグレータのスキル読本[第一版] ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 機械 | 3 | 11 / 508 | 上位2% |
| 設計 | 2.9 | 21 / 508 | 上位4% |
| 工学 | 2.6 | 28 / 508 | 上位6% |
| コンピュータと電子工学 | 2.5 | 29 / 508 | 上位6% |
| 事務処理 | 2.4 | 136 / 508 | 上位27% |
| 物理学 | 2.4 | 25 / 508 | 上位5% |
| 生産・加工 | 2.3 | 74 / 508 | 上位15% |
| 数学 | 2.2 | 39 / 508 | 上位8% |
| 化学 | 2.0 | 34 / 508 | 上位7% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.9 | 242 / 508 | 上位48% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.0 | 349 / 426 | 上位82% |
| 独創性 | 2.9 | 137 / 426 | 上位32% |
| 自他の位置関係の把握 | 2.8 | 70 / 426 | 上位16% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 2.7 | 227 / 426 | 上位53% |
| 帰納的推論 | 2.6 | 266 / 426 | 上位62% |
| モノの見え方に関する想像力 | 2.6 | 192 / 426 | 上位45% |
| 選択的注意(集中する力) | 2.5 | 327 / 426 | 上位77% |
| マルチタスク | 2.5 | 306 / 426 | 上位72% |
| 記述理解 | 2.5 | 320 / 426 | 上位75% |
| 発話表現 | 2.5 | 367 / 426 | 上位86% |
仕事内容
- 工場などの生産ラインに産業用ロボットを設置し、設定する。
- どのような生産ラインにするか顧客のユーザー企業から概要、要望、予算、期限等を聞き、検討、協議する。
- ロボットを使った生産ラインに関して基本的な設計を行う。
- 基本的な設計をユーザー企業に説明し、検討、協議する。
- 生産ラインの具体的で詳細な設計を行う。
- 詳細な設計に基づき、既存のロボット等を選択する。
- 適切なロボットがない場合、新たなロボットの開発を開発会社、あるいは自社の開発部門に依頼する。
- 一連の生産ラインを制御するソフトウェアを選択する。
- 一連の生産ラインを制御するソフトウェアを開発する。
- 必要な場合、ロボットのハード、ソフトを修正、調整する。
- ロボットにティーチング(機械学習、深層学習を含む)を行う。
- 設計通りの性能か、問題点がないか等、生産ラインをテストする。
- 問題点、改善点がある場合、ロボット、機材、ソフト等を修正、調整する。
- 生産ラインでロボットと一緒に作業する従業員を教育訓練する。
- ドキュメント(設計、開発、試験結果、マニュアル等)を作成する。
- 生産性、経済性、信頼性、精度を高めるため、生産ラインの改良を提案する。
- ロボットの問題点、改善箇所等を開発会社、あるいは自社の開発部門に報告する。
- 複数の企業で開発する場合、それら企業と共同で設置し、設定等を行う。
- 新たなロボットが開発された場合、生産ラインに組み込むか検討する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、新卒の場合は、大学や高専、専門学校の機械工学・電気・電子系、情報系の学部を卒業してロボットSIerやロボットシステムインテグレーション部門をもつ企業に入社して、ロボット関連の職場に配属されるというのが一般的である。採用については、大企業では新卒採用が全体のほぼ半数で、中途採用はその半数程度となっている。中小企業では新卒採用と中途採用はほぼ同程度となっている。 産業用ロボット(定格出力が80W未満のものを除く)にかかわる仕事に就く場合は、労働安全衛生規則第39条に基づいた産業用ロボットの教示等の業務及び検査等の業務に係る安全衛生特別教育を受けなければならない。これは、ロボットの設置やメンテナンスを行う職業だけでなく、ロボットシステムを導入する企業でも同様である。 求められる資質としては、ロボティクス(ロボット工学)に関する知識はもちろんであるが、ロボットシステムインテグレーションが主業務となるため、導入提案やユーザーのニーズの聞き取りなど顧客企業と的確なコミュニケーションをとって、適切な提案、設計ができる能力が必要である。慢性的に人材が不足している業界でもあり、ステップアップした後は後輩を育てる指導性も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.6 |
| 高卒 | 0.2 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
| わからない | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「機械技術者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には8の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 394.3千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,392.8千円 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 平均勤続年数 | 14.3年 |
| 労働者数 | 41,086人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤343.9千円
- ≤357.3千円
- ≤372.2千円
- ≤392.6千円
- ≤452.8千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
基本的に企業の中の職務(仕事)であり、労働時間や給与などは、各社の社内規定に準拠している。給与についてはスキルの社内での基準により決めているところもあるが、明確な基準を設定しているところは少ない。なお、中途採用については前職の報酬基準をベースにしているところもある。 80W規制が緩和されて以来、生産ラインに人間と並んで作業する協業ロボットが生まれている。産業用ロボットのほかにも、コミュニケーションロボットや医療・介護ロボット、自動搬送ロボットなどが注目されている。今後もロボットを組み込んだシステムを構築する技術者の役割はますます重要になるとみられる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- エレベーター据付近さ 0.784
- ワイン製造近さ 0.685
- 水産技術者近さ 0.661
- 建築施工管理技術者近さ 0.659
- 造船技術者(船舶の開発・設計)近さ 0.657
- 水族館飼育員近さ 0.634
- しょうゆ製造近さ 0.620
- 太陽光発電の企画・調査近さ 0.610
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)