どんな職業か
異なる言語を使う人たちの間に入り、話されている言語を相手方の話し言葉に訳し、相手に伝える仕事である。 ここでは国際会議、放送、商談、法廷などの分野で働く通訳者について記述する。 通訳の方法は大きく3つに分けられる。「adhoc(アドホック)通訳」は、少人数の人が日常的な話をする場合などに、相手の言っていることを相互に伝えるもので、特に決められた通訳の仕方はなく、臨機応変に双方の言いたいことを伝える。 「逐次(ちくじ)通訳」は話し手が一定のまとまりで話し、通訳者がそれまでの分を通訳する、というやり方で話を進めていく。話の内容を覚えていなくてはならないため、記憶の補助として、メモ(通訳ノート)を取るのが普通である。著名な人が講演をするような場合や外交交渉・会議・商談・座談会などに使われ、内容も高度なことが多い。 「同時通訳」は、通訳者が「ブース」と呼ばれる通訳室に入り、発言者の言うことをヘッドフォンで聞きながら通訳していき、会場で聞いている人に伝える方法である。内容を理解し、同時に話さなくてはならないため、高度の集中力を要し、3人くらいのチームを組んで、15分~30分で交代する。使用言語数が多い国際会議や放送通訳の場合などに用いられる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、オンライン会議ツール、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 外国語で話す | 5.7 | 1 / 498 | 上位1% |
| 外国語を聞く | 5.5 | 2 / 498 | 上位1% |
| 外国語を読む | 5.5 | 4 / 498 | 上位1% |
| 傾聴力 | 5.4 | 47 / 498 | 上位9% |
| 読解力 | 4.9 | 64 / 498 | 上位13% |
| 説明力 | 4.8 | 77 / 498 | 上位15% |
| 外国語で書く | 4.6 | 7 / 498 | 上位1% |
| 文章力 | 4.3 | 127 / 498 | 上位26% |
| 他者の反応の理解 | 4.1 | 101 / 498 | 上位20% |
| 新しい情報の応用力 | 3.9 | 98 / 498 | 上位20% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 外国語の語彙・文法 | 3.5 | 5 / 508 | 上位1% |
| 日本語の語彙・文法 | 3.4 | 23 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.4 | 174 / 508 | 上位34% |
| コミュニケーションとメディア | 2.2 | 62 / 508 | 上位12% |
| 事務処理 | 1.9 | 237 / 508 | 上位47% |
| 歴史学・考古学 | 1.8 | 12 / 508 | 上位2% |
| 哲学・宗教学 | 1.6 | 17 / 508 | 上位3% |
| 社会学 | 1.6 | 113 / 508 | 上位22% |
| ビジネスと経営 | 1.5 | 177 / 508 | 上位35% |
| 販売・マーケティング | 1.5 | 188 / 508 | 上位37% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 発話理解 | 4.1 | 3 / 426 | 上位1% |
| 発話表現 | 4.0 | 9 / 426 | 上位2% |
| 記述理解 | 3.7 | 24 / 426 | 上位6% |
| 記述表現 | 3.6 | 37 / 426 | 上位9% |
| 記憶力 | 3.6 | 5 / 426 | 上位1% |
| トラブルの察知 | 3.4 | 164 / 426 | 上位38% |
| マルチタスク | 3.4 | 17 / 426 | 上位4% |
| 発話明瞭性 | 3.2 | 13 / 426 | 上位3% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.1 | 78 / 426 | 上位18% |
| 演繹的推論 | 2.8 | 212 / 426 | 上位50% |
仕事内容
- 異なる言語を使う人たちの間に入り、話されている言語を相手方の言語に訳し、相手に伝える。
- 少人数の人が日常的な話をする場合などに、相手の言っていることを相互に伝える。
- 交渉や会議などに立ち会って双方の話の内容を正確に訳し、相手に伝える。
- 講演会などで講師の傍らに位置し、公演の内容を記憶した上で、適切な区切りごとに通訳する。
- 電子音響システムを使用して講演者の話の内容を聞き、講演に並行して同時通訳する。
- 技術研修の場などに立ち会い、機械などの操作手順やメカニズムなどについて通訳する。
- 話し手がしばらくの間話したことを記憶して後で通訳するためにメモを取る。
- あらかじめ会議や講演のテーマについて調査研究し、予習しておく。
- 記録された放送や映像を翻訳する。
- メールや資料などの文書を翻訳する。
- 英文の契約書や覚書作成を支援する。
- クライアントや学生に日本語を教える。
- 外国人の日本における官公署での手続きを支援する。
- 病院に付き添い、医師等との会話や手続きを支援する。
- 宿泊施設への入居・退去に関わる手続きを支援する。
- 海外でのツアーに同行し、通訳する。
- 営業や工場見学など、企業の海外出張に同行して通訳する。
- 本などを読み、母国語を勉強する。
- 各種令状執行時に通訳を担当する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。実績と能力によって仕事を得ることができる、実力本位の世界である。一般的に大学卒業程度の学力は最低限必要とされ、大学、通訳学校、大学院などの通訳養成コースを修了した者が多い。 ビジネス通訳検定(TOBIS)の資格を取ると、仕事を得るうえで有利になることがある。 通訳の仕事をするには、派遣会社に登録して仕事を得るケース、知り合いや各種団体、学校関係から仕事を紹介してもらうケース、企業に雇用されるケースがある。 高度な語学力だけでなく、一般常識、通訳する分野についての背景知識、理解力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| わからない | 0.2 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 高卒 | 0.0 |
関連する資格
- ビジネス通訳検定(TOBIS)
給料
賃金構造基本統計調査では「助産師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には7の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 395.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 919.9千円 |
| 平均年齢 | 40.5歳 |
| 平均勤続年数 | 9.3年 |
| 労働者数 | 1,584人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤333.6千円
- ≤364.2千円
- ≤398.2千円
- ≤435.3千円
- ≤550千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
通訳の場としては国際会議・国際セミナー、外国人との交渉・親善活動、テレビ局や外資系企業などがある。 高度な逐次通訳と同時通訳のできる通訳者は多くない。翻訳家、大学教員、文筆家など他の仕事と兼業している場合も多い。 関連団体の調査結果によると、就業者のうち約7割を女性が占める。さらに女性を年代別でみると、40代と50代が約7割を占める(2022年時点*)。 通訳者は、企業に雇用されている社内通訳者を除き、仕事のあるときだけ現場で業務を行うのが普通である。放送通訳者の場合はほぼ定期的に仕事がある。 報酬は、一日の仕事あたりいくら、という形で支払われる場合が多い。報酬の額には実績や能力によってかなりの幅がある。 いわゆる自動音声翻訳(機械通訳)の精度がAIにより向上してきており、スピードや利便性の観点で活用場面も見られるようになってきた。しかし、話し手側の話し方に左右されること、表情やボディランゲージを把握できないため訳文に感情が表現できないなど課題も多く、今後も通訳者に一定の需要はあると見込まれる。 *日本翻訳連盟(JTF)「翻訳・通訳業界調査」アンケート
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 英会話教師近さ 0.775
- 翻訳者近さ 0.733
- 外務公務員(外交官)近さ 0.725
- 日本語教師近さ 0.698
- 雑誌記者近さ 0.677
- ツアーコンダクター近さ 0.641
- 通訳ガイド近さ 0.625
- コピーライター近さ 0.560
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)