どんな職業か
現場及び病院への搬送の途中、救急車などの中で、救護行為を行う。また、生命の危険のある病気やけが人に対しては、特定医療行為を含む必要な救急救命処置を行う。消防機関に所属していない救急救命士もいるが、ここでは主に消防署に勤務する救急救命士について記載する。 消防本部の指令センターから指令を受け、救急車などに乗って現場に急行する。傷病者の症状を確認し、その場で必要な応急処置を行う。傷病者を救急車に収容し、搬送先の病院に向かう。その車内において、聴診器による心音・呼吸音の確認、心電図の測定、酸素吸入器による酸素吸入、自動体外式除細動器(AED)による除細動などの処置を行う。更に、専用端末で救急指導医師の指示を受けながら、輸液や気管内チューブによる気道確保などの救急救命処置を行うこともある。 病院に到着してからは、傷病者を病院の担当者に引き継ぎ、症状や応急処置の内容を医師に報告する。署に戻って報告書を作成し、次の出動に備える。救急現場の場所によってはヘリコプターで出動することもあり、機内において処置をする場合もある。 また、救急救命士の資格を有しているが消防機関に所属していない救急救命士も増えており、病院、ドクターカー、ドクターヘリの診療補助などの場面で活躍している。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 医療機器(聴診器等)、心電図、酸素吸入器、自動体外式除細動器(AED)、気管内チューブ、大型、中型、準中型、特殊自動車等(普通免許だけでは運転できないもの)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.5 | 29 / 498 | 上位6% |
| 説明力 | 4.7 | 96 / 498 | 上位19% |
| 指導 | 4.7 | 38 / 498 | 上位8% |
| 読解力 | 4.5 | 119 / 498 | 上位24% |
| 説得 | 4.4 | 51 / 498 | 上位10% |
| 他者の反応の理解 | 4.2 | 81 / 498 | 上位16% |
| 継続的観察と評価 | 4.1 | 79 / 498 | 上位16% |
| 文章力 | 4.0 | 188 / 498 | 上位38% |
| 他者との調整 | 4.0 | 144 / 498 | 上位29% |
| 学習方法の選択・実践 | 3.9 | 71 / 498 | 上位14% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 3.7 | 27 / 508 | 上位5% |
| 公衆安全・危機管理 | 3.0 | 2 / 508 | 上位1% |
| 教育訓練 | 2.8 | 18 / 508 | 上位4% |
| 事務処理 | 2.7 | 83 / 508 | 上位16% |
| コミュニケーションとメディア | 2.3 | 42 / 508 | 上位8% |
| 法律学、政治学 | 2.3 | 44 / 508 | 上位9% |
| 通信技術 | 1.9 | 47 / 508 | 上位9% |
| 人事労務管理 | 1.8 | 58 / 508 | 上位11% |
| 心理学 | 1.7 | 125 / 508 | 上位25% |
| セラピーとカウンセリング | 1.7 | 68 / 508 | 上位13% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 4.0 | 12 / 426 | 上位3% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.8 | 3 / 426 | 上位1% |
| 筋力 | 3.7 | 2 / 426 | 上位1% |
| 腕と手の安定 | 3.6 | 4 / 426 | 上位1% |
| 持久力(スタミナ) | 3.6 | 8 / 426 | 上位2% |
| 手腕の器用さ | 3.6 | 6 / 426 | 上位1% |
| 指先の器用さ | 3.5 | 9 / 426 | 上位2% |
| 発話表現 | 3.5 | 69 / 426 | 上位16% |
| 聴覚的注意(特定の音を聞き分ける力) | 3.5 | 5 / 426 | 上位1% |
| 発話明瞭性 | 3.5 | 3 / 426 | 上位1% |
仕事内容
- 病院へ搬送の途中の救急車の中で、生命の危険のある病人やけが人に対して救急救命措置をする。
- 消防署の指令センターからの指令を受け、救急車に乗って現場に急行する。
- 病人やけが人の容態を確認し、その場で応急処置をする。
- 病人やけが人を救急車に収容し、車内で心音の確認や心拍数の測定をする。
- 道中他の車両に道をあけるよう指示しながら医療機関に搬送する。
- 車内で病人やけが人に対して医師の指示を受けながら輸液や気管確保をする。
- 車内で病人やけが人に対してAED(自動体外式除細動器)を使用したり、心臓マッサージをする。
- 傷病者を病院に引き渡し、症状や実施した処置の内容を医師に報告する。
- 報告書の作成や救急車に搭載する医薬品・器具の点検をする。
- 救急救命に関する講習に参加したり、訓練を受ける。
- 新たな装備品に習熟するよう練習する。
- 定期的な救命救急実習を受ける。
- 地域住民に対し、応急手当やAEDを用いた救急救命講習を実施する。
- 火災現場や地震などの災害現場において、人命の救出活動を行う。
- 消火活動を行う。
- 同乗者に傷病について説明する。
- 傷病者や関係者に医療接遇する。
- 救急救命士や他の隊員に助言や指導を行う。
- 地域の医療関係者と連携する。
- 傷病者の予後を調査する。
- 事故の概要を調査する。
- 統計調査に関する業務を行う。
- 警防計画を作成する。
- 救急業務におけるプロトコールを検討する。
- 資器材や医薬品の在庫管理、発注を行う。
なるには
救急業務は消防において行われているため、救急車に乗務するには、消防職の公務員試験を受けて消防士として採用される必要がある。 消防職の中で救急救命士として活動するには、救急救命士国家試験に合格し、救急救命士の免許を得ることが必要である。 採用当初から救急救命士として働くことはまれであり、消防学校で救急隊員として必要な教育を受けてから現場に配属され、実務経験を積み、専門的な知識と技術を学んで資格を取得するのが一般的である。 大学や専門学校において救急救命に関する専門的な技術と知識を学び、卒業後に国家試験を受けて資格を取得する方法もある。 最新の救急救命医療に対応するため、日々知識や技術を磨いていくことが求められる。病院に搬送しながら傷病者に適切な処置を行う必要があるため、迅速に冷静な判断をくだせる必要がある。また、緊急を要する作業のため、機敏に的確な処置を行うことも重要である。なによりも人命にかかわる仕事のため、強い責任感が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.6 |
| 専門学校卒 | 0.4 |
| 高卒 | 0.3 |
| 高卒未満 | 0.0 |
| 高専卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0 |
関連する資格
- 救急救命士
給料
賃金構造基本統計調査では「保健師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 312.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 755.7千円 |
| 平均年齢 | 38.6歳 |
| 平均勤続年数 | 6.5年 |
| 労働者数 | 1,381人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤281.7千円
- ≤301.3千円
- ≤323.6千円
- ≤362.8千円
- ≤421.4千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「保安職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.7%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人8千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比1.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比0.9%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
保安職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 保安職業23.6%
- 運搬・清掃・包装等16.7%
- サービス職業14.5%
- 販売12.1%
- 事務8.8%
- 生産工程7.7%
- その他16.6%
この分類に入った人のうち、76.4%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
各地の消防署に勤務する。いつ発生するかわからない急病人やけが人に備えて、交代制の勤務となる。職場によって異なるが、1回の勤務は休憩・仮眠をとりながら24時間勤務が原則であり、当番日と非番日、公休を繰り返すパターンとなっている。年中無休の業務体制であるため、土日祝日に休みが取れるわけではない。 待遇は各自治体の規定による。出動手当など職務の特殊性や危険性が考慮された処遇となっていることが多い。 勤務中は常に緊張状態にあり、仮眠中でも要請があれば直ちに出動することが求められ、精神的にも肉体的にも厳しい面がある。 消防職のなかで救急部門に従事する職員は67,006人、うち救急救命士の数は33,552人である*。総務省消防庁では、3人1組の救急隊のうち、少なくとも1名は救急救命士の資格取得者を配備することを推奨しており、救急救命士の需要は高まりつつある。救急救命士の資格を取得する人数も年々増えているが、増加しつつある出勤件数に対して救急救命士の数は不足しがちである。病人やけが人の生存率を上げるため、救急医療の充実が求められており、高度な救急医療行為を行うことができる救急救命士に対する期待は大きい。 *令和6年度消防白書から
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 消防官近さ 0.913
- 警察官(都道府県警察)近さ 0.821
- 陸上自衛官近さ 0.771
- 作業療法士(OT)近さ 0.753
- 海上保安官近さ 0.753
- 海上自衛官近さ 0.745
- 外科医近さ 0.731
- 小児科医近さ 0.726
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)