どんな職業か
製パン工場や個人経営店(ホームベーカリー)でパンを製造する。 原材料の選択から焼き上げまでの全てを、一人から数人で行う小規模なベーカリーもあれば、一方では、自動化された生産ラインで100種類以上のパンを大量につくる大規模な工場もある。工場では仕事が分業化されており、生地をつくる仕事、成形の仕事、焼き上げの仕事に分かれる。 パン製造の仕事は朝が早い。小麦粉、イースト、塩、砂糖、油脂、粉乳、卵などの配合原料を、ミキサーと呼ばれる機械を使って混ぜ合わせ、練り上げて生地をつくる「仕込み」から始まる。次にパンに使うクリームを炊き上げたり、ジャムやあんの硬さを調節したり、レーズンのようなドライフルーツ類を細かく切るなど製造のために必要な準備をする。 仕込みが終わった生地の練り具合、硬さ、温度はパンの品質や出来映えに影響するので、細心の注意が求められる。生地を発酵させた後、一定量に分割し、手や機械を使ってパンの形を整える。成形した生地を型や鉄板の上に収め、一定の温度・湿度に保たれたホイロ(醗酵室)に入れて生地を膨脹させる。 パンの種類に応じてオーブンの温度、時間を設定し焼き上げるが、この工程での的確な調節によって、パンの焼色や香りが作り出される。焼き上げたパンは、網棚状のラックに並べ自然放冷した後、そのまま店頭に並べたり、食パンのようにスライス、包装などの加工をして販売する。機械化された工場では温度、湿度をコントロールした冷却工程によって冷却後、包装工程を経て出荷される。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 ミキサー、オーブン、調理道具(包丁、ガスコンロ等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 読解力 | 2.6 | 445 / 498 | 上位89% |
| 傾聴力 | 2.4 | 482 / 498 | 上位97% |
| 指導 | 2.4 | 457 / 498 | 上位92% |
| 説明力 | 2.4 | 470 / 498 | 上位94% |
| 文章力 | 2.2 | 447 / 498 | 上位90% |
| 他者の反応の理解 | 2.1 | 466 / 498 | 上位94% |
| 他者との調整 | 2.1 | 461 / 498 | 上位93% |
| 対人援助サービス | 2.1 | 414 / 498 | 上位83% |
| 時間管理 | 2.1 | 431 / 498 | 上位87% |
| 説得 | 2.0 | 440 / 498 | 上位88% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.8 | 22 / 508 | 上位4% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.8 | 280 / 508 | 上位55% |
| 販売・マーケティング | 1.5 | 182 / 508 | 上位36% |
| ビジネスと経営 | 1.1 | 329 / 508 | 上位65% |
| 人事労務管理 | 1 | 301 / 508 | 上位59% |
| 教育訓練 | 0.9 | 361 / 508 | 上位71% |
| 事務処理 | 0.8 | 463 / 508 | 上位91% |
| 機械 | 0.8 | 248 / 508 | 上位49% |
| 数学 | 0.8 | 323 / 508 | 上位64% |
| 経済学・会計学 | 0.7 | 364 / 508 | 上位72% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 2.9 | 385 / 426 | 上位90% |
| 手腕の器用さ | 2.8 | 104 / 426 | 上位24% |
| 指先の器用さ | 2.8 | 96 / 426 | 上位23% |
| 手首と指の動作速度 | 2.8 | 63 / 426 | 上位15% |
| 持久力(スタミナ) | 2.7 | 137 / 426 | 上位32% |
| 筋力 | 2.6 | 148 / 426 | 上位35% |
| 腕や脚の動作速度 | 2.5 | 138 / 426 | 上位32% |
| 選択的注意(集中する力) | 2.4 | 381 / 426 | 上位89% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 2.3 | 277 / 426 | 上位65% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 2.3 | 339 / 426 | 上位80% |
仕事内容
- 製パン工場や個人経営のパン店でパンを製造する。
- 小麦粉、イースト、塩、砂糖、油脂、粉乳、卵といった配合原料を計量する。
- 計量済みの配合原料を、練り上げて生地をつくるため、ミキサーと呼ばれる機械を使って混ぜ合わる(仕込み)。
- パンの中に入れる具材やクリームを切ったり調理する。
- 仕込みが終わった生地の練り具合、硬さ、温度を確認し、静置して発酵させる(一次発酵)。
- 一次発酵後の生地を一定量に分割し、手や機械を使ってパンの形を整える。
- 成形した生地を、型や鉄板の上に並べ、一定の温度・湿度に保たれたホイロと呼ばれる部屋に入れ、生地を膨脹させる(二次発酵)。
- パンの種類に応じてオーブンの温度、時間を設定し、パンを焼く。
- 焼き上がったパンを、網棚状のラックに並べて自然放冷、または温度、湿度をコントロールした冷却工程によって冷却する。
- パンが冷めた後、中身を詰めたり、表面を飾ったりして仕上げる。
- カレーパンやドーナツを専用フライ油脂で揚げる。
- 出来上がったパンを包装し、出荷あるいは店頭に並べる。
- 異物混入や包装不良などの不具合を、目視や機械で確認する。
- 工場や調理場、店舗の清掃をする。
- 機械や調理器具を洗浄する。
- 小麦粉などの原料を発注し、管理する。
- パンの新商品を開発する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、食品についての基礎的な知識を持っていることが望まれる。パンは種類によって原料配合や製造方法が異なるため、パンづくりの技術を習得するにはかなりの実務経験が必要となる。一般的にはパン製造の現場で経験を積んでいく。 機械化された大規模な製パン工場では、製パン工程が分業化されているケースもある。 一般的な製パン工場では入職後、原料の秤量などパン製造の準備工程を担当し、製造するパンの種類や製造の流れを覚えた後、成形や焼き上げの工程を担当して機械の操作を習得し、経験を積むとパンの品質にとって重要な仕込みの工程を担当するようになる。企業によって期間は異なるが、入職後6~7年程度で、本人の適性と能力により「班長・主任」などの現場の監督職に昇進する可能性がある。 また、専門学校などで指定された学科を卒業した人や2年以上実務を経験していれば、厚生労働省の定める技能検定の「パン製造技能士」の受験資格を得ることができ、キャリアアップする際に有利となる。 独立して開業する人もおり、パンを焼く小型のオーブンを設置し、焼きたてのパンを売る店が話題を集めることもある。また、独立開業する場合には、「食品衛生責任者」の資格の取得なども必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.4 |
| わからない | 0.3 |
| 大卒 | 0.3 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.1 |
関連する資格
- 食品衛生責任者
- 特級パン製造技能士
- 1級パン製造技能士
- 2級パン製造技能士
給料
賃金構造基本統計調査では「飲食物調理従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には15の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 272.5千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 319.2千円 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 平均勤続年数 | 9.6年 |
| 労働者数 | 42,230人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤227.4千円
- ≤242.1千円
- ≤262.5千円
- ≤279.2千円
- ≤320.9千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
ホームベーカリーやパン製造工場以外にも、菓子製造業や大きなホテル、デパート、スーパー等の中にパンをつくる部門を持っているところがある。 大規模な工場ではパン製造工程が細かく分けられるなど作業が単純化しており、パートタイマーも多い。 パンの製造は、仕込みから包装まで長時間かかるため、早朝から深夜までの作業が必要となる場合もあり、勤務は交替制を採ることもある。屋内での立ち作業が中心で、機械化の進んでいない小規模なベーカリーでは、パンを焼く作業では高温の環境で仕事をするなど、ある程度の体力が必要である。 大規模な製パン工場では機械化が進み、機械の監視作業などが中心となっている。小規模なベーカリーでは、洋菓子製造などと兼業し店の特色を出すケースもある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 惣菜製造近さ 0.904
- 水産ねり製品製造近さ 0.899
- 調理補助近さ 0.897
- 製品包装作業員近さ 0.884
- バックヤード作業員(スーパー食品部門)近さ 0.874
- 工場労務作業員近さ 0.871
- 和菓子製造、和菓子職人近さ 0.869
- こん包作業員近さ 0.862
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)