どんな職業か
ピアノの構造や性質等を踏まえピアノの音の調節を行う。音程や音色、ピアノのつくりや機能などを熟知している調律師は、ピアノの医者であり、メカニックといえる。 ピアノはとても複雑でデリケートな楽器であり、他の楽器のように演奏者自身が音の調節を行うことは困難であるため、ピアノ調律師が調整を行う。 演奏家を担当する調律師は、正確な調律だけではなく、演奏者の希望を把握した上でそれに沿った音色に仕上げていく。 音楽的な原理に基づいて基本的な音程をつくる「調律」では、チューニングハンマーで弦を締めたり緩めたりしながら、一音ずつ全ての弦を調律していく。チューニングフォーク(音叉)の音にぴったり合わせたり、和音をつくったりしながら、耳を頼りに作業を進める。他にも、楽器を弾きやすく、よく揃った状態に仕上げる「整調」やイメージどおりの微妙な音色をつくりだす「整音」という作業も行う。 ピアノの修理もピアノ調律師の仕事である。また、防音や騒音防止、温度や湿度の管理について、ピアノを使っている人の相談にのったり、アドバイスもする。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 チューニングハンマー、チューニングフォーク
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 修理 | 4.7 | 3 / 498 | 上位1% |
| 故障等の原因特定 | 4.6 | 2 / 498 | 上位1% |
| 傾聴力 | 4.5 | 203 / 498 | 上位41% |
| 説明力 | 4.4 | 156 / 498 | 上位31% |
| 道具、機器、設備の選択 | 4.1 | 28 / 498 | 上位6% |
| 保守点検 | 4.0 | 7 / 498 | 上位1% |
| 他者の反応の理解 | 3.9 | 138 / 498 | 上位28% |
| クオリティチェック | 3.9 | 35 / 498 | 上位7% |
| 読解力 | 3.8 | 239 / 498 | 上位48% |
| 論理と推論(批判的思考) | 3.6 | 141 / 498 | 上位28% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 顧客サービス・対人サービス | 2.6 | 137 / 508 | 上位27% |
| 芸術 | 2.5 | 24 / 508 | 上位5% |
| 販売・マーケティング | 1.6 | 163 / 508 | 上位32% |
| 事務処理 | 1.4 | 366 / 508 | 上位72% |
| ビジネスと経営 | 1.4 | 214 / 508 | 上位42% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.4 | 292 / 508 | 上位57% |
| 経済学・会計学 | 1.2 | 157 / 508 | 上位31% |
| 心理学 | 1.1 | 256 / 508 | 上位50% |
| 外国語の語彙・文法 | 1.1 | 206 / 508 | 上位41% |
| コミュニケーションとメディア | 1.0 | 338 / 508 | 上位67% |
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、ピアノメーカーなどに付属する養成機関や専門学校、音楽大学の調律科などに入り、必要な知識や技術を学んでいる者が多い。調律師の養成機関に入学する条件として、音に対する感覚がすぐれていること、指が1オクターブの鍵盤に届くことなどが必要とされる。他に、学科試験や適性検査がある。養成期間は1~2年、専門課程も含めると1~4年である。入職後実務経験を積み「ピアノ調律技能士」を取得することで顧客の信頼を得ることができる。 また、調律師になる人の中には、ピアノ製造会社の社員として、ピアノの設計、組立、整調、整音の工程で基礎技術を身につける人もいる。 ピアノを使っている人に、手入れ、温度・湿度の管理などについて、経験に基づきアドバイスができるようになるには、少なくとも5年はかかるとされる。 ピアノ調律師の頂点はコンサートチューナーと呼ばれる調律師である。ピアニストのパートナーとして、コンサート用のグランドピアノの調律を行う、最高の技術を持つ調律師である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門学校卒 | 0.5 |
| 大卒 | 0.4 |
| 高卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
関連する資格
- 1級ピアノ調律技能士
- 2級ピアノ調律技能士
- 3級ピアノ調律技能士
給料
賃金構造基本統計調査では「法務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 770.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,967.2千円 |
| 平均年齢 | 51.2歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 労働者数 | 2,435人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤273.5千円
- ≤408.7千円
- ≤475.1千円
- ≤604.6千円
- ≤1,332.5千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
ピアノ調律師の数について正確なデータはないが、会社に所属している調律師や自営業者、フリーを合わせて10,000人程度と見られる。日本ピアノ調律師協会では入会に際して資格審査を行っており、これに合格し、協会から認定されている調律師は現在約2,500人である。このうち3割以上はピアノ製造会社や販売会社に所属している。女性の調律師は少なかったが、増えてきている(*)。 湿度や温度がコントロールされた調律室や、完全に防音された実習室での作業が中心であるが、一般家庭の調律に出向くこともある。 企業に所属している調律師の場合、全国の営業所やサービスセンターなどへ転勤するケースがある。待遇や労働条件、賃金は所属企業の規定に準ずるが、技能の習熟度や能力に対する技能評価を考慮されることもある。高度な技術を維持するため、定期的な社内研修も行われる。 自営業の場合、高い技能だけでなく知名度や経験も収入に影響する。顧客数や依頼される内容によって労働時間も収入も変化する。また、一般顧客の場合、引越や、ピアノ練習の中断などもあり、収入は必ずしも安定しない。そのため顧客から新しい仕事の紹介を受けたり、ピアノ販売を行う者もいる。 *一般社団法人日本ピアノ調律師協会、ピアノ調律師になるために
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 貴金属装身具製作近さ 0.622
- 録音エンジニア近さ 0.531
- 動画制作近さ 0.526
- 陶磁器技術者近さ 0.499
- 起業、創業近さ 0.496
- 靴製造近さ 0.485
- ジュエリーデザイナー近さ 0.457
- ガラス食器製造近さ 0.443
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)