どんな職業か
各種の染料、薬品などを用いて、機械装置により、糸や織編物(おりあみもの)に染色整理加工(染色と仕上げ)を行う。 糸や織編物は、綿、羊毛などの天然繊維や、レーヨンなどの化学繊維、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維を原料としており、染色整理加工ではこれらの原料に最終用途にあわせた色柄をつけたり、表面を平滑にしたり、手触りをよくするなどの物理的・化学的な処理を施すことから、それぞれ異なった機械や薬品が使用される。 染色工程は、生地を一色に染める無地染と、一色又は多色を使って柄染をする捺染(なっせん、プリント)に分けられる。シャツなどのポリエステル織物の無地染では、まず染色機に一定量の水を入れ、機械を始動させ、前工程の精練漂白を終えた生地を機械に入れ、あらかじめ設定しておいたプログラムで自動運転に切り替える。染料と薬品を計量しておくと、自動的に染料と薬品が投入されて、染色が行われる。 染色が終わると、サンプルをチェックして、洗浄に移り、染色加工の最終仕上げとして、防縮(縮みを防ぐ)加工、光沢やつや出し加工、防炎加工等、また最近では撥水加工、撥油加工、吸汗加工、しわ加工、起毛加工、コーティング・ラミネート作業なども施されている。 最後に検査工程で生地をチェックし、不良部分を取り除く。 糸の染色整理加工工程も同様に、精練、漂白、水洗を経て、染色、水洗という順に作業が進められる。毛織物の染色整理加工の場合は、「縮絨性(しゅくじゅうせい)」という毛が縮む性質があるため、特別の方法が必要で、染色工程よりも整理加工工程に重点があるのが特徴である。 これらの作業は、現在では大部分が電子制御の機械で処理されているが、加工後の微妙なタッチなどは、目や手で判断することも染色の担当の大切な仕事である。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 機械装置、染色機
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 指導 | 3.3 | 298 / 498 | 上位60% |
| 傾聴力 | 3.2 | 424 / 498 | 上位85% |
| 説明力 | 3.2 | 369 / 498 | 上位74% |
| 道具、機器、設備の選択 | 3.1 | 191 / 498 | 上位38% |
| クオリティチェック | 3 | 128 / 498 | 上位26% |
| 読解力 | 2.8 | 426 / 498 | 上位86% |
| 修理 | 2.8 | 117 / 498 | 上位23% |
| 文章力 | 2.7 | 387 / 498 | 上位78% |
| 他者の反応の理解 | 2.7 | 381 / 498 | 上位77% |
| 他者との調整 | 2.7 | 374 / 498 | 上位75% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.8 | 19 / 508 | 上位4% |
| 事務処理 | 1.6 | 314 / 508 | 上位62% |
| 教育訓練 | 1.4 | 181 / 508 | 上位36% |
| 機械 | 1.3 | 154 / 508 | 上位30% |
| ビジネスと経営 | 1.3 | 243 / 508 | 上位48% |
| 化学 | 1.2 | 113 / 508 | 上位22% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.2 | 412 / 508 | 上位81% |
| 販売・マーケティング | 1 | 299 / 508 | 上位59% |
| 工学 | 1.0 | 191 / 508 | 上位38% |
| 数学 | 1.0 | 253 / 508 | 上位50% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.1 | 311 / 426 | 上位73% |
| 色の違いを見分ける力 | 3.1 | 39 / 426 | 上位9% |
| 手腕の器用さ | 3.0 | 69 / 426 | 上位16% |
| マルチタスク | 2.9 | 168 / 426 | 上位39% |
| 発話表現 | 2.8 | 273 / 426 | 上位64% |
| 記述表現 | 2.8 | 252 / 426 | 上位59% |
| 記憶力 | 2.8 | 193 / 426 | 上位45% |
| 選択的注意(集中する力) | 2.8 | 193 / 426 | 上位45% |
| 指先の器用さ | 2.8 | 89 / 426 | 上位21% |
| 筋力 | 2.8 | 87 / 426 | 上位20% |
仕事内容
- 各種の染料、薬品などを用いて、機械装置により、糸や織編物(おりあみもの)に染色整理加工(染色と仕上げ)を行う。
- 仕様書に従って染料と薬品を計量する。
- 自動で染色をする機械に一定量の水を入れ、機械を始動する。
- 精錬漂白工程の終わった生地を機械に導き入れ、生地の初めと終わりを結び合わせ、機械のハッチを閉じる。
- プログラムに沿った自動運転に切り替え、計量しておいた染料と薬品を溶解タンクに入れ、所定量の水で溶解させておく。
- 染色終了後、サンプルを切り取り、色が正常かどうかのチェックをする。
- サンプルが正常であれば、続けて自動的に洗浄をするために機械を操作する。
- 防縮加工、つや出し加工、防炎加工などの整理加工を自動的に行う機械を操作・監視する。
- 染色終了後、生地を結び合わせた部分を解いて、引き出し用のローラーを通しながら取り出す。
- オーバーマイヤーの中のカゴに糸の束を入れる。
- オーバーマイヤーの中で精練・漂白・染色・水洗をするために、染料液や薬剤の入った液をポンプで循環させる装置の運転を監視する。
- 水洗が済んだ糸をカゴごと乾燥装置に移す、またはオーバーマイヤーの中でそのまま乾燥させる。
- 染色品検査をして良品、不良品を分ける。
- 試験染めをする。
- 一連の染色工程を行う産業用ロボットの操作・監視をする。
- さまざまな生地に柄をつけるプリント作業をする。
- 刷毛を使って多色染めやぼかしを施す。
- 防染のため、布に糊を塗る(糊置き)。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新規学卒者は、業務のデジタル化やメカトロニクス化の進展等により仕事が労働集約型から知識集約型に変わりつつあり、大卒者等も入職している。求人は学校やハローワークなどを通じて行われる。中途採用もある。生産現場で多くの化学薬品や機械設備を使用するので、化学系や機械系の学科を専攻し、それらの知識を身につけていれば有利になる。 染色整理加工は、素材や色、手触りなどが重要な要素であり、コンピュータ制御が発達した現在でも感性の領域までの制御はできず、微妙な調整をするためには経験を積む必要がある 関連資格として、厚生労働省が定める技能検定の「染色技能士」があり、資格を取得すると技能の証明として評価される。 化学や素材に関する深い知識に加えて、コンピュータによってプログラム化された染色作業を制御するための技術も必要である。最終的な調整部分では、人間の美的感覚が必要とされ、ファッションやテキスタイルデザイン等の知識も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.5 |
| 大卒 | 0.4 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 短大卒 | 0.1 |
| わからない | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
関連する資格
- 1級染色技能士
- 2級染色技能士
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
就業者は男性が6割強を占めている。就業形態は正社員が多い(2021年時点1*)。 事業所は、全国に広がっており、特に近畿、東海、北陸地方に比較的多い(2021年時点2*)。就業者は高齢者が多い。60代以上の者については技術伝承の面においても活躍している。 勤務形態は企業によって異なり、昼間勤務が多いが、2交替制(早番、遅番)、3交替制(24時間)が基本のところもある(2019年時点3*)。また、賃金、労働時間等の労働条件も、職場によって異なり社内規定による。 外国製繊維製品の輸入の増大や、技術革新に伴う染色整理加工工程の自動化により、染色工の労働需要は減少が予想される。一方で、高級品への生産の移行やコンピュータによる生産・品質・情報の管理やオペレーションが進むことにより、機械や情報処理の知識と感性を持った人材が求められると考えられる。 なお、従来の染色手法とは異なるが、コンピュータ制御によるインクジェットでのデジタル捺染(なっせん:布地に模様の印刷をする)も普及してきている。 (1*)(2*)総務省2021経済センサスから (3*)取材結果から
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- めっき工近さ 0.813
- 金属プレス工近さ 0.770
- 鋳造工/鋳造設備オペレーター近さ 0.726
- 紡績機械オペレーター近さ 0.715
- 家具製造近さ 0.713
- 鉄鋼製造オペレーター近さ 0.704
- 木材製造近さ 0.704
- 自動車組立近さ 0.703
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)