どんな職業か
ビール醸造所(ブルワリー)において、ビールの製造に従事する。 日本のビール業界は、長い間大手メーカーによる寡占状態が続いてきたが、1994年の酒税法改正による規制緩和で日本各地の小規模醸造所で“地ビール”や“クラフトビール”と呼ばれるビールが造られている。ビール製造の仕事内容は醸造所の規模によって異なるが、基本工程は同じである。 ビール造りでは、タンクや配管の洗浄・消毒を丁寧に行うことが大切である。ビールの場合アルコール度が低く、ビール酵母もどちらかといえば弱い発酵力しかないので、洗浄・消毒がおいしいビール造りの基本となる。 仕込みは、粉砕した麦芽を湯に浸して麦汁を造ることから始まる。麦汁に苦みをつけるホップを投入して約一時間煮込み、最後に香り用のホップを投入する。煮込みの終了した麦汁は、熱交換器を通して急冷しながら発酵タンクに移し、ここに酵母を投入すれば仕込みが完了する。 これから数十日間をかけて発酵・熟成させ、出来上がったビールをろ過した後、製品タンクに移し、アルミ缶やびんに詰めて出荷する。 大きなビール工場では、作業マニュアル等により、全く同じ品質のビールが造られるが、小さな醸造所では多くの作業が手作業であり、個人の経験や技能が製品の質に反映される余地が大きい。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 麦汁醸造機、発酵タンク、濾過機、製品タンク
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| クオリティチェック | 4.2 | 10 / 498 | 上位2% |
| 保守点検 | 4.0 | 6 / 498 | 上位1% |
| 計器監視 | 4.0 | 7 / 498 | 上位1% |
| 傾聴力 | 3.9 | 323 / 498 | 上位65% |
| 複雑な問題解決 | 3.9 | 95 / 498 | 上位19% |
| 修理 | 3.9 | 15 / 498 | 上位3% |
| 時間管理 | 3.9 | 54 / 498 | 上位11% |
| 故障等の原因特定 | 3.8 | 28 / 498 | 上位6% |
| 資材管理 | 3.8 | 3 / 498 | 上位1% |
| 論理と推論(批判的思考) | 3.8 | 114 / 498 | 上位23% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 生産・加工 | 2.3 | 84 / 508 | 上位17% |
| 事務処理 | 1.7 | 283 / 508 | 上位56% |
| 機械 | 1.7 | 108 / 508 | 上位21% |
| 工学 | 1.4 | 104 / 508 | 上位20% |
| ビジネスと経営 | 1.3 | 220 / 508 | 上位43% |
| 教育訓練 | 1.3 | 183 / 508 | 上位36% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.3 | 396 / 508 | 上位78% |
| 数学 | 1.3 | 171 / 508 | 上位34% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.2 | 326 / 508 | 上位64% |
| 販売・マーケティング | 1.2 | 252 / 508 | 上位50% |
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。学校を卒業後、ビール醸造所などに就職する。食品衛生の知識や醸造の知識があることが望ましい。入職経路は、新卒の場合は学校からの紹介、中途採用の場合は、ハローワークと求人広告がほとんどである。 ビール造りは、最初は作業を習いながら手伝いから始め、様々な工程を経験する。地ビールやクラフトビールの製造では、ビール醸造の経験を積み重ねるうちに自分でコントロールできる部分が広がり、味を意図的に調整したり、新しいレシピを作ったりすることもできるようになる。熟練すると、単に与えられたレシピに従って作業をするのではなく、経営者や顧客と一緒に、新たなビール造りにも挑戦できる。このような過程を通じ、製造だけでなくマーケティングやセールスに精通することも必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.5 |
| 大卒 | 0.5 |
| わからない | 0.2 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 高卒未満 | 0.0 |
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「生産工程従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.8%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人99.9千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比8.5%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比9.5%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
生産工程従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 生産工程60.3%
- サービス職業13%
- 専門的・技術的職業6.3%
- 販売5.3%
- 運搬・清掃・包装等4%
- 事務3%
- その他6.7%
この分類に入った人のうち、39.7%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
個性的で様々な味のビールを作り出している、小規模な醸造所は全国に383場ある(2024年12月時点*)。このような醸造所では、タンクの洗浄は夏暑く、冬寒い自然条件の中で行われる。仕込みの原材料や製品の運搬は重労働であるが、醸造所の規模によってはそれらの移動を機械で行う場合もある。発酵・熟成期間は作業が少ない反面、仕込みやびん詰めでは朝から夜までの作業となる。また、夏や観光シーズンなどには需要が大幅に高まるため、繁忙期となることが多い。 ヨーロッパでは2千年近くに渡りビールの文化が育まれてきたが、日本では大手メーカー以外では、小規模でのビール造りが認められた歴史も浅く、地ビールやクラフトビールを造る小規模醸造所も、ようやく近年、地場産業の一つとして力をつけつつあると言える。 *国税庁 酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和6年アンケート)
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 鉄道車両の設計・開発近さ 0.715
- ファインセラミックス製造技術者近さ 0.679
- 石油精製オペレーター近さ 0.671
- 電気技術者近さ 0.667
- 生産・品質管理技術者近さ 0.629
- 自動車技術者近さ 0.623
- 電子機器技術者近さ 0.622
- ガラス食器製造近さ 0.618
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)