どんな職業か
オフィスビルやマンションの冷暖房換気設備、給排水衛生設備、ビル群にエネルギーを供給する地域冷暖房の配管網、工場や発電所における高温の蒸気装置、低温の天然ガスや石油液化ガスの配管、半導体工場のクリーンルームに清浄な空気を送るダクトなどには、必ず保温・保冷工事が施される。この工事を行うのが仕事である。 施工分野は、大別すると建築設備の保温・保冷工事とプラント設備の保温・保冷工事に分けることができる。保温・保冷工事は、熱の損失を防ぐ省エネルギー対策として重要な意味をもっている。保温・保冷工事には、人造鉱物繊維保温材、無機多孔質保温材、発泡プラスチック保温材の3種類の保温材が使用され、板状の保温板、フレキシブルなフェルト、保温帯、ブランケット、パイプの外径に合わせた保温筒として用いられる。 工事対象物の温度(高温・低温)、形状(装置、タンク、パイプ)、目的(耐火・保温・火傷防止・保冷・防露)に合わせて保温材をのこぎり、パン切りナイフ、カッターナイフ、電気こてなどで所定の厚さに裁断加工し、鋲(びょう)、ボルト・ナット、針金、金属性バンド、金網などの補助材を使って取り付ける。保冷・防露工事では、周囲に空気が流れ込んで結露しないように、保温材の外側をフィルムやシート、防水紙などで覆う。 居住部分の人目につく箇所の仕上げには、美観が要求されるため、綿布のテープなどをらせん状に巻いたり、カラー鉄板などの金属板を使って仕上げる。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 蒸気装置、ダクト、鋲(びょう)、ボルト、ナット、針金、金属性バンド、金網、フィルム、シート、防水紙、テープ、カラー鉄板、金属板、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 3.4 | 395 / 498 | 上位79% |
| 指導 | 3.4 | 291 / 498 | 上位58% |
| 説明力 | 3.3 | 357 / 498 | 上位72% |
| 文章力 | 2.9 | 358 / 498 | 上位72% |
| 他者との調整 | 2.9 | 340 / 498 | 上位68% |
| 道具、機器、設備の選択 | 2.8 | 235 / 498 | 上位47% |
| 修理 | 2.8 | 115 / 498 | 上位23% |
| 資材管理 | 2.6 | 114 / 498 | 上位23% |
| 設置と設定 | 2.6 | 191 / 498 | 上位38% |
| クオリティチェック | 2.6 | 191 / 498 | 上位38% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 建築・建設 | 2.4 | 32 / 508 | 上位6% |
| 事務処理 | 2.2 | 164 / 508 | 上位32% |
| 機械 | 1.9 | 87 / 508 | 上位17% |
| 数学 | 1.6 | 117 / 508 | 上位23% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.1 | 347 / 508 | 上位68% |
| 生産・加工 | 1.1 | 204 / 508 | 上位40% |
| 経済学・会計学 | 0.9 | 271 / 508 | 上位53% |
| 人事労務管理 | 0.8 | 369 / 508 | 上位73% |
| 設計 | 0.8 | 199 / 508 | 上位39% |
| 公衆安全・危機管理 | 0.8 | 362 / 508 | 上位71% |
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。入職後、見習の経験等によって技能を習得する。 関連する資格として、厚生労働省の定める技能検定の「熱絶縁施工技能士」がある。大規模な工事現場では、技能士の常駐を義務付けられていることが多く、職長には技能士の資格が必須の条件となっている。 保温・保冷工事の基礎となる伝熱の基礎、機工具の取り扱い、設備図面の読み方などの知識が必要となる。 足場や作業車の上で作業を行うことが多いため、一定の体力が必要である。作業は、ほとんどがハサミ、ナイフ、のこぎりなど手工具を使用する手作業であるため、手先が器用であることも重要となる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 高卒 | 0.4 |
| 専門学校卒 | 0.2 |
| 大卒 | 0.2 |
| わからない | 0.2 |
| 高卒未満 | 0.1 |
| 短大卒 | 0.1 |
関連する資格
- 1級熱絶縁施工技能士
- 2級熱絶縁施工技能士
給料
賃金構造基本統計調査では「大工」として集計されています(2023年・全国)。この区分には14の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 336.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 529.1千円 |
| 平均年齢 | 42.2歳 |
| 平均勤続年数 | 13.1年 |
| 労働者数 | 1,668人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤237.8千円
- ≤282.9千円
- ≤336.2千円
- ≤357千円
- ≤844.1千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「建設・採掘従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率4.6%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人45.2千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比1.6%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比1.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
建設・採掘従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 建設・採掘60.6%
- 専門的・技術的職業10.5%
- 生産工程7.1%
- 輸送・機械運転6.3%
- サービス職業6%
- 運搬・清掃・包装等3.7%
- その他5.1%
この分類に入った人のうち、39.4%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
働く場は建築工事に伴って移動する。建築物はその規模によって数カ月から2~3年の工期があり、保温・保冷工事は工期の後半に現場内で作業する。1日の作業も建物の中を移動しながら行う。新しい省力化製品、省力化工法も開発され、作業の効率化が進み、工事の作業負担は軽減されている。 賃金は、日給月給制の場合が多い。数量請負の場合は1カ月の出来高で支払われる。建築設備の保温・保冷工事は地域によって賃金に多少の格差が見られるが、プラント設備の保温・保冷工事は、工場などの新設現場を長期出張しながら全国的に移動して作業を行うため、賃金の地域格差はほとんどない。 休日については、週休2日制を進めているが、最終の仕上げ工事に近い工程で工事を行うため、前工事に遅れが出た場合や、建物の完成直前には残業・休日出勤が行われることもある。工場のメンテナンス工事では、工場の休業中の正月やお盆などに作業を行う場合もある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)